監督:マーティン・ブレスト 1998年12月にUIPから配給
ジョー・ブラックをよろしくの主要登場人物
ジョー・ブラック(ブラッド・ピット)
人間の世界を見物しに来た死神。
青年(ブラッド・ピット)
スーザンが立ち寄ったコーヒーショップにいた青年。妹思いの優しい青年でスーザンと恋に落ちる。
ビル(アンソニー・ホプキンス)
大企業の社長。自身の死期を悟り、寿命を延ばすことを条件に死神に人間の世界を案内する。
スーザン(クレア・フォーラニ)
ビルの次女。コーヒーショップで出会った青年と恋に落ちる。
ドリュー(ジェイク・ウェバー)
ビルの会社の役員でスーザンの恋人。ジョーを不審に思っている。
アリソン(マーシャ・ゲイ・ハーデン)
ビルの長女。ビルの誕生日パーティーを成功させるため奔走する。
クインス(ジェフリー・タンバー)
ビルの会社の役員でアリソンのパートナー。優しい性格でアリソンとビルに常に寄り添う。
ジョー・ブラックをよろしく の簡単なあらすじ
大富豪で企業の社長であるビルは、突然現れた死神ジョー・ブラックに人間の世界を案内することになります。
ジョーはビルの毎日を楽しそうに眺めますが、やがてジョーは人間であるビルの娘・スーザンと恋に落ちます。
人の死をあやつり孤独に過ごしてきたジョーは人間たちの心の繋がりと恋の素晴らしさを知ります。
しかし、ビルに死期が訪れたことにより、別れの時がやってきます。
ジョー・ブラックをよろしく の起承転結
【起】ジョー・ブラックをよろしく のあらすじ①
ある日、大富豪のビルは不思議な声を聞いて目を覚まします。
ビルは大企業を一代で築き上げたやり手のビジネスマンです。
愛する二人の娘や部下たちに囲まれ、幸せで充実した毎日を過ごしていました。
気がかりなのは、ビルの右腕であるドリューと交際している次女スーザンのことと自身をたびたび襲う胸の苦しみでした。
男性としてのドリューを気に入らないビルは、スーザンに雷にうたれたような恋の素晴らしさを説きます。
スーザンはドリューを愛していると答えますが、ビルはその言葉を信じられず、心配が募るばかりでした。
もうすぐ65歳の誕生日を迎えるビルは、たびたび胸の苦しみに襲われるようになります。
その時、不思議な声が聞こえてきて、ビルは密かに自身の死期が近づいていることを感じていました。
スーザンはもちろん、ビルの誕生日パーティーの準備を進める長女アリソンも全く気付いていませんでした。
医師であるスーザンは、出勤前に立ち寄ったコーヒーショップで一人の青年と出会います。
彼の飾らない人柄と優しさにスーザンは惹かれてしまいます。
また、青年も美しいスーザンを好きになり、二人は別れを惜しみながらコーヒーショップを後にします。
しかし、スーザンと別れた青年は交通事故に遭ってしまいます。
その頃、ビルの自宅に謎の客人が訪ねてきます。
聞き覚えのある声の正体は、ビルが度々耳にしたあの不思議な声でした。
ビルの前に姿を現した客人は、スーザンが出会った青年の姿をしていました。
しかし、それは青年自身ではなく、彼の体を乗っ取った死神でした。
ビルは自身の死期が近いことを確信します。
死神は、ビルの寿命を延ばす代わりに人間の世界を案内するよう命じました。
ビルは死神の要望を聞き入れ、しばらくの間共に過ごすことになります。
【承】ジョー・ブラックをよろしく のあらすじ②
ビルは死神をアリソン、アリソンの夫で役員のクインス、ドリューに紹介します。
人間の世界を全く知らない死神は食事の作法も知らず、アリソン達の目には常識のない風変わりな人物に見えました。
死神との約束で正体を明かせないビルは彼を友人だと紹介し、彼をジョー・ブラックと名付けます。
見るもの全てが珍しいジョーは、ビルの自宅でも職場でも自由奔放に振る舞います。
言動が変わっていて役員会に堂々と出席するジョーを見て、ドリューは不審に思います。
しかし、そんなドリューを横目に、ジョーは人間の世界を楽しみます。
食べ物に興味を持ち、クッキーやピーナッツバターを気に入ります。
ビルにジョーを紹介されたスーザンは驚きます。
コーヒーショップで出会った青年が目の前にいるのです。
しかし、死神が乗っ取っている青年はスーザンとの出会いを覚えていません。
スーザンは、ジョーが素性を隠して近づき、出世に利用しようとしたと誤解します。
それでもジョーを忘れられないスーザンは、ジョーが持つ不思議な魅力に次第に惹かれていきます。
ジョーの正体を知るビルは二人の関係に猛反対します。
しかし、スーザンはビルが説いた雷にうたれたような恋の素晴らしさを知ったと話します。
また、ジョーもスーザンに恋をし、人間と人間の世界の愛おしさを知っていきます。
【転】ジョー・ブラックをよろしく のあらすじ③
ビルが経営する会社では、ある企業との合併の話が進んでいました。
しかし、ビルは話がまとまる直前に白紙に戻してしまいます。
相手の企業にある企みがあったためですが、ビルは役員たちに理由を明かしませんでした。
必死に話を進めてきたドリューは怒りをあらわにし、得体の知れないジョーを会社に関与させていることを理由にビルを解任します。
ビルはその決定を受け入れ、会社を去ってしまいます。
そして、残された時間を家族とともに過ごそうとします。
ドリューは合併の話をあきらめられず、事前にビルを除いた役員で話し合いをしていました。
。
クインスは何か良い方法がないか模索し、また、色々な方法でビルとドリューたちの仲を取り持とうとしていました。
そんな中、クインスは合併話に隠されたドリューの企みを本人から聞かされます。
ドリューはビルの会社を解体して売却することで巨額の富を得ようとしていたのです。
真実を知ったクインスは激しく後悔します。
しかし、ビルはすでに会社を去っていて、合併の話が進んでいきました。
ある日、ジョーはビルを呼びます。
人間の世界を楽しみ、人を愛することを知ったジョーは元の世界に帰ると伝えます。
それはビル自身の寿命が尽きることを意味していました。
その瞬間は、ビルの誕生日パーティーが終わった後にするとジョーは告げます。
【結】ジョー・ブラックをよろしく のあらすじ④
ビルの誕生日パーティーが開催されます。
ジョーはスーザンに別れを告げます。
本当は死神の世界にスーザンを連れて行くつもりでしたが、ビルに説得され、スーザンを大切に思うジョーは別れることを決意しました。
スーザンはそんなジョーの心を察し、何も言わずにジョーを見送ることにします。
アリソンが用意したパーティーは盛大で、ビルを慕う大勢の人たちが参加していました。
ビルは自宅の書斎におり、ドリューを呼び出します。
電話を通じて役員たちが聞いている中、ビルはドリューの企みを暴露します。
追い詰められたドリューはジョーの存在を引き合いに出し、再びビルを責め立てます。
しかし、ジョーが機転をきかせて自身の正体を国税庁の調査員だと嘘をつきます。
それを信じたドリューは観念し、ビルは社長の座を取り戻します。
パーティーのスピーチに立ち、ビルはゲストたちの顔を愛おしそうに眺めます。
その目線の先にはジョーが待っていました。
打ち上がる花火を眺めながら、ビルとジョーはこの世界に思いを馳せます。
ビルは去りがたい世界だとつぶやきます。
二人はパーティー会場から離れた森の中へ入っていきます。
戻ってきたのは、ジョーの姿をしたコーヒーショップの青年でした。
スーザンには自分が恋をした青年が戻ってきたのだと分かりました。
自分がなぜここにいるのか分からない青年にスーザンは優しく微笑みかけます。
ジョー・ブラックをよろしく を観た感想
死神ジョーとスーザンの恋が始まりから終わりまで丁寧に描かれている作品です。
ブラッド・ピットが演じる青年と不思議な魅力を持つ死神、クレア・フォーラニの賢く美しいスーザンの恋はどちらも純粋で、コーヒーショップでの出会いなど素敵なシーンがたくさんありました。
ファンタジーラブストーリーとして知られていますが、この世界に生きる素晴らしさを恋を含めたもっと大きなスケールで描いた作品だと感じました。
ビルと家族、役員たちが描きだすリアルなドラマや、ビル役のアンソニー・ホプキンスの演技がそう思わせているのだと思います。
ジョーとスーザンの別れのシーンはもちろん、ビルとジョーがこの世界に別れを告げるシーンにはぐっとこみあげてくるものがあります。
オリジナル版での鑑賞がおすすめです。
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