監督:吉野耕平 2022年5月に東映から配給
ハケンアニメ!の主要登場人物
斎藤瞳(吉岡里帆)
本作の主人公。王子監督に憧れてアニメの監督になった。
王子千晴(中村倫也)
天才監督と言われながらも、一時は姿を消し、復帰作「運命戦線リデルライト」で再び話題に。
有科香屋子(尾野真千子)
王子監督作品のプロデューサー。王子監督に振り回されながらも一番の理解者。
ハケンアニメ! の簡単なあらすじ
王子監督を目指してアニメ製作会社に転職してきた斎藤瞳は、7年後新人監督としてデビューを果たします。
しかし、クオリティにこだわる瞳は、プロデューサーの行城理のやり方と合わずにストレスが溜まっていました。
そして、女性だということで周りも正しく評価してくれません。
一方、瞳が憧れる天才監督の王子千晴は姿を消し、プロデューサー有科香屋子は焦りを隠しきれず…。
ハケンアニメ! の起承転結
【起】ハケンアニメ! のあらすじ①
県庁で働いていた斎藤瞳は、王子千晴監督を超えるという目標を持ち、アニメの製作会社に転職しました。
7年後、連続アニメ「サウンドバック奏の石」で監督デビューを果たす瞳でしたが、プロデューサーの行城理に振り回されます。
アニメ雑誌「アニメゾン」の表紙も行城理との意見の行き違いのせいで、急遽、神作画と言われる並澤和奈がデート中で仕事を受けないといっているのにも関わらず、しつこく頼みます。
この環境で書くならペンネームでという並澤に行城は、並澤和奈という名前が欲しいから仕事を依頼したというのでした。
たくさん製作されるアニメの中で頂点を取るためにスタッフは、日夜努力しています。
自分たちが作ったアニメが成功する「ハケンアニメ」となるために。
ただでさえ連続アニメは時間が無くコンテを書きたい瞳のことを行城は、まあまあ可愛いという理由でいくつもの宣伝に借りだします。
そして、この作品がダメだったら次はないと瞳を脅し、瞳はストレスフルでした。
一方、王子千晴監督の「運命戦線リデルライト」のプロデューサー有科香屋子は、王子監督が姿を消し焦っていました。
【承】ハケンアニメ! のあらすじ②
「サウンドバック奏の石」のトワコの声優にアイドル声優群野葵を起用し、群野のトワコは瞳の思うトワコとかけ離れていました。
「なんでもあげる」というセリフに瞳はなんどもダメ出しをします。
人気のある群野を起用したのは、行城の戦略でしたが、瞳はよく思っていませんでした。
瞳が家に帰ると、飼い猫と隣の男の子太陽が遊んでいたので、家で一緒にお茶を飲みます。
太陽はアニメは、みんな嘘だから見ないと瞳にいいました。
瞳も幼少期、親が借金取りに追われていたこともあり、太陽みたいな考えを持っていました。
一方、雲隠れしていた王子監督はハワイに行っていたと戻ってきます。
その日は、アニメフェスでした。
アニメフェスで王子監督と対談した瞳は、王子監督の前で負けませんと勝利宣言をします。
その時点では、王子監督の「運命戦線リデルライト」の期待値が高めです。
ハワイに行っていた王子監督は、実はホテルで缶詰になり絵コンテを仕上げていました。
0からモノづくりをすることのプレッシャーと闘っていたのでした。
【転】ハケンアニメ! のあらすじ③
初回放送の完成披露でお客から拍手をもらう瞳でしたが、その完成披露会を盛り上げたのは群野でした。
群野に挨拶をしようとする瞳でしたが、相手にされません。
放送回数が進むにつれ、瞳の「サウンドバック奏の石」と王子監督の「運命戦線リデルライト」の話題性に差が開いていきます。
瞳は、王子監督に群野のインスタグラムを見たらいいとアドバイスをもらうのでした。
瞳は、トワコのセリフの「なんでもあげる」が、カップラーメンのCMパロディに使われて腹をたてます。
さらに、今まで味方だと思っていた根岸も影で自分の悪口を言っているのを聞いてしまいました。
CMの件を行城に詰め寄ると、まずは100知ってもらってやっと1届けることができると言われてしまうのでした。
監督は自分なのに、誰も自分のこだわりを認めてくれずに瞳はストレスマックスです。
雨の帰り道、転んだ瞳の荷物から、ボクササイズの券が出てきます。
ボクササイズでストレス発散をすると、偶然隣に有科がいて、帰りに一緒に銭湯に行きました。
そこで、瞳が王子監督作品「ヨスガ」に影響を受けて監督になった話をします。
有科も「ヨスガ」を見て王子監督と仕事がしたいと思って頑張って来たと打ち明け、さらにもう後がないと魂を削ってアニメを作る瞳の気持ちを聞いた有科は、慌てて仕事に戻るのでした。
【結】ハケンアニメ! のあらすじ④
王子のアドバイス通りに群野のインスタグラムを見ると、群野はトワコの気持ちを理解するためにアニメの舞台になった場所を訪ねていたことを知り、瞳は群野に謝ります。
王子監督は、最終回で主人公が亡くなる設定にしたいといい、有科が局にかけあうもOKは出ませんでしたが、有科はその設定の理由を王子監督なら用意すると信じて、局と闘うのでした。
一方、はじめは嫌がっていた宣伝にも力を入れる瞳に、悪口を聞かれたことも知らず根岸はいつも通り瞳に同情します。
しかし、いつしか瞳の考えは行城と共鳴していて、行城を悪く言う根岸に対して反論します。
そして、瞳は配信の会社から声がかかり、このアニメが終わったら転職しようか迷っていました。
そのことを知っていた行城は、これからも一緒に作品を作るために、今の会社を円満に退職することをすすめます。
「昔の自分みたいな子に届くアニメを作りたい」と面接で瞳が言ったことを行城は覚えていました。
行城は面接官の一人でした。
行城は瞳に才能があることをわかっていたのです。
その後、瞳は最終回の話を変えたいとみんなに伝えます。
時間がない中、スタッフは受け入れてくれました。
みんなで工夫し間に合わせ、最高の最終回を迎えます。
最終回のトワコのセリフの言い方を、瞳は群野にお任せします。
ラストシーンにも「なんでもあげる」と言うセリフがあり、1話との感情の差を群野は上手に表現していました。
一方、「運命戦線リデルライト」の最終回は主人公が死んだと思わせて、そうはいかないと強さを感じるラスト。
そして、王子監督はその後有科に突然プロポーズし、驚かせます。
結局、視聴率では「運命戦線リデルライト」に負けてしまった瞳。
しかし、部屋で荷物の整理をしていると、外から友達の居なかった太陽がサウンドバッグごっこをしているのを見かけて、自分の作った作品は間違えじゃなかったと心振るわすのでした。
ハケンアニメ! を観た感想
映画「バクマン。」
を彷彿する作品でした。
バクマン。
にあったジャンプ魂感がない分、ちょっとピリピリしているように思いました。
しかし、あまり周りが見えていない瞳がちょっとずつ成長していき、最後はスタッフと一丸になる感じは見ていて爽快でした。
ものを0から作ることの大変さ、そしてそれを成し遂げる感動が見れます。
ラストの太陽のシーンは、描かれていないけれどきっと瞳が太陽にあげたグッズで遊んでいたのかなと思いました。
自分のアニメによって成長していった子どもに感激する瞳を見て胸がアツくなりました。
瞳と行城、王子と有科の関係性の変化の対比が見どころです。
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