監督:木村ひさし 2022年10月にKADOKAWAから配給
貞子DXの主要登場人物
一条文華(小芝風花)
IQ200の大学院生。クイズ番組などに出演したことから少し知名度がある。科学で証明できないものは信じない。
前田王司(川村壱馬)
自称占い師で王子様キャラの痛い人。いちいち大声を出して驚く。呪いのビデオを見た女性を助けられず、悔やんでいる。
感電ロイド(黒羽麻璃央)
文華のSNS上での知人で、実は潔癖症の引きこもり。文華が呪いのビデオの謎を解く手伝いをしてくれる。
Kenshin(池内博之)
テレビでも活躍する人気霊媒師。文華に呪いのビデオの謎を解いてみてはと勧める。
一条双葉(八木優希)
文華の妹。文華が持ち帰った呪いのビデオを見てしまう。
貞子DX の簡単なあらすじ
呪いのビデオが出回り多くの人が謎の死を遂げている中、IQ200の一条文華はそんな呪いなど存在しないと全く信じていませんでした。
しかしテレビ番組で討論した霊媒師・Kenshinから、ならこの謎の死の原因を解いてみろとビデオを手渡されます。
呪いのビデオは、見ると24時間後に死ぬと噂されています。
あまり相手にしていなかった文華ですが、そのビデオを妹・双葉が見てしまったことから、呪いのビデオ、そして謎の死の解明に向けて動き出したのでした。
貞子DX の起承転結
【起】貞子DX のあらすじ①
2022年10月東京。
大学院生の一条文華は、仏壇の父親の遺影に手を合わせました。
母・智恵子の作った朝食を食べながら、ここ最近首都圏で頻発している不審死についての情報を見ます。
今月だけで39件もの不審死が発生しており、中には衆人環視の中で倒れ、亡くなった事例もありました。
文華はタブレットでSNSをチェックしていきます。
かつて似たような事例がありました。
「呪いのビデオを見ると貞子の呪いにふれて死ぬ」という都市伝説です。
家を出た文華は車でテレビ局へ向かいます。
途中の信号待ちの際、耳の後ろに指を添えて手を広げる動きをしながら、情報を整理します。
文華の車が通りすぎる脇では、前田王司という男が成瀬愛に「僕が一緒にいてあげる」と声をかけていました。
ビルの大型ビジョンには貞子が映っています。
10月16日。
クイズ番組で勝ち続けていることからちょっとした有名人になっている文華は、あるオカルト番組に出演するためにテレビ局を訪れていました。
収録では人気霊媒師・Kenshinが、今話題の不審死について語っていました。
亡くなった人たちが「呪いのビデオ」を購入していたという司会者の指摘に、Kenshinは20年前の貞子の都市伝説の話をします。
当時は「ビデオを見て1週間後に死ぬ」だったのが、今回は「24時間後」と変わっていることに触れ、その原因はわからないと言います。
そして呪いは存在すると力説し、呪いがSNSで拡散されれば、人類は滅亡すると警告しました。
しかし文華は、心理的な恐怖から急性心不全が起こる「プラセボ効果」ではないかと、Kenshinの言うことを否定します。
番組は視聴者、SNS上で話題になり、「そもそもビデオデッキないし」と話す女子高生までいました。
文華は控室でお弁当を食べながら、SNS上の知人・感電ロイドからのメッセージを読んでいました。
そこには「暗示をかけられた可能性もある」とあります。
【承】貞子DX のあらすじ②
収録終了後、Kenshinは嫌みを言いながら、文華に除霊のため持ち込まれた「呪いのビデオ」を差し出しました。
そして「君の頭脳で解明してみてはどうかな」と言って去って行きました。
帰宅した文華はそのことを智恵子と双葉に話しながら、鋭い観察眼で智恵子が父親の墓参りに行ったことを当てます。
智恵子と双葉は舌を巻きました。
その夜、一人リビングへ降りてきた双葉は、押入れの奥からビデオデッキを取り出して呪いのビデオを再生します。
映像は井戸の中のようなところから始まり、徐々に上へと這い上がっていくように見えます。
壁をつかむ手が映ったあと映像は外へ出て、一条家の外観が映りました。
「え?うち?」双葉が困惑していると映像は終わります。
気味が悪くなった双葉が外を窺うと、遠くの道の隅に白い人影が立っているのが見えました”あと24時間…”川沿いでは、王司が何かに怖がって怯える愛を撮影していました。
しばらくすると愛は両手を首に当てて苦しみだし、そのまま死んでしまいます。
同じころ、部屋に引きこもってネットを閲覧していた感電ロイドが、一部始終を映したその映像をSNSで発見しました。
10月17日。
大学で感電ロイドから届いた愛の死ぬ動画を見ながら、文華はこれはフェイク動画だと考えていました。
するとそこに双葉から電話があり、昨夜22時に呪いのビデオを見たことを告げられます。
さらに、静岡で入院中の親戚のおじさんがずっとついてくると言うのです。
その姿は友人には見えません。
双葉は怯えていました。
文華は「調べてみる」と言って電話を切ります。
Kenshinの元へ向かいますが、予約でいっぱいだと断られました。
そこに「死んでやる」と叫ぶ男の声が響きます。
王司が屋上から飛び降りようとしているのです。
文華が冷静に話をすると、王司は落ち着きました。
王司が呪いのビデオのことで来ていたことを知った文華は、話を聞くことにします。
【転】貞子DX のあらすじ③
王司は愛から受け取った呪いのビデオの除霊のためにここを訪れていました。
愛から相談を受けて、20年前の貞子の呪いの回避方法「ビデオをコピーして他人に見せる」を実践したのに、愛は死んでしまったのです。
Kenshinがビデオを再生しながらお祓いを始めました。
終盤にはKenshinの事務所が映り、昨日は愛の家だったのにと王司が驚きます。
お祓いは終わり、カウントダウンが始まります。
文華は双葉のタイムリミット、22時までに謎を解くと言い、王司も手伝うことになりました。
喫茶店に来た2人はタブレットでビデオについて調べます。
文華は20年前の貞子の騒動について、天然痘のウィルスが変異したものではないかと考えました。
しかし今回は潜伏期間が24時間。
宿主が早く亡くなるとウィルスを拡散できません。
文華は首をひねります。
別れた彼女とおそろいのタトゥーを入れていると明かした王司が、「二度と消せない呪いなんだよ」と得意げに言い、文華は呆れてしまいました。
同じころ、双葉は親戚のおじさんに追われていました。
奇妙な動きをしながらおじさんの髪がどんどん長く伸びていきます。
智恵子に迎えに来てもらいますが、家までついてきたおじさんは友達のショウコへと姿を変えました。
20時が過ぎ、王司が生き延びたことがわかりました。
そのことを感電ロイドに伝えます。
感電ロイドは猫のフィルターをつけています。
文華は感電ロイドと議論を交わした後、ビデオを見るために王司の家へと向かいました。
そこでビデオを確認しますが、サブリミナルメッセージは見つかりません。
その時文華は、ビデオを誰かと一緒に見ればウィルスへの抗体ができるのではと気づきました。
そのことを急いで双葉と智恵子に連絡します。
22時が過ぎ、双葉は無事に生き延びることができました。
この「呪い回避方法」はSNSで大バズリします。
一方文華は、ビデオを広めた人物を特定しようと調査を続けます。
【結】貞子DX のあらすじ④
呪いのビデオの売人がKenshinだったと判明しました。
Kenshinは自ら呪いのビデオを広め、自分にお祓いの依頼がくるようにしていたのです。
ビデオに映る神社がKenshinの実家である天琉神社だともわかりました。
文華と王司がKenshinを問い詰めると、Kenshinは開き直ります。
幼少期から神主の息子として父親の姿を見てきたため、このようになったのです。
Kenshinはビデオを踏み壊しました。
しかしKenshinにも呪いが忍び寄り、Kenshinの父の姿をした貞子に襲われて死んでしまいました。
文華の「呪い回避方法」は間違っていたことになります。
警察の事情聴取を終えた文華と王司にも、貞子が忍び寄っていました。
王子には元カノのリナが、文華には智恵子の姿が見えます。
文華はここでようやく、科学や方程式では解けないこともあると理解しました。
王司のタトゥーを見た文華はデジタルタトゥーのことを思い出し、呪いは消せず広がるのみ、呪いが変異したと考えます。
このままでは世界中が大変なことになってしまいます。
2人は手がかりを求めて天琉神社へ向かいました。
呪われたままの智恵子と双葉も車で向かいます。
廃墟となっている天琉神社には、先に感電ロイドが来ていました。
文華は王司から、王司がビデオを見ていた時、愛は怖がって見ていなかったと聞かされます。
このことで「24時間以内にビデオを見る」ことを繰り返すことが回避方法だと気づきました。
この先ずっと貞子のウィルスに感染し続けるのです。
亡き夫やショウコに追われながら、智恵子と双葉も神社に到着し、みんなで一緒にビデオを見ます。
時間が過ぎましたが、誰も死ぬことはありませんでした。
その後、文華は新たな回避方法をネットで拡散させ、みな当たり前のように毎日ビデオを見る生活を送るようになりました。
(感電ロイドは素顔を見せるようになり、部屋に閉じこもることをやめました。
)
貞子DX を観た感想
「リング」で日本だけでなく世界までをも震撼させた「貞子。」
これまで何度も映画化されてきた「貞子」シリーズですが、本作ではまさに今の時代にマッチした呪いが蔓延します。
もはや過去の「呪い回避方法」は通用せず、新たな進化を遂げた貞子の呪いはとどまるところを知りません。
クールに謎に迫る小芝風花さんがすごく良かったです。
さらに随所におもしろ要素も散りばめられていてコントのような展開も多く、ホラーですが少し気楽に見ることができました。
ホラーで少しほっこりするエンディングというのも、あまりないのではないでしょうか。
ホラーが苦手な人にもおすすめです。
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