監督:松本花奈 2021年12月にパルコから配給
明け方の若者たちの主要登場人物
僕 (北村匠海)
本作の主人公。印刷会社勤務。大学時代に、年上の彼女に飲み会の席から誘われる。
彼女 (黒島結菜)
僕をあざとい手口で誘い、付き合い始める。アパレルブランド勤務。
古賀尚人 (井上祐貴)
僕の会社の同期で、リーダーシップのあるカッコいい男。
明け方の若者たち の簡単なあらすじ
大学のつまらない飲み会で出会った僕と彼女。
僕は、彼女のあざとい手口で電話番号を交換し、その後彼女から飲みに誘われます。
彼女が飲みに誘ったのは、クジラ公園。
2人が音楽の話をすると、聴いていた時代が少しかみ合いません。
彼女は、大学院生で僕よりも年上でした。
僕は、思い切って「俺といたらきっと楽しいよ」といい、2人は付き合うことに。
初めてのデートは演劇を見に下北沢に行き、その帰りに彼女は「もうちょっと」と僕を誘うのでした。
明け方の若者たち の起承転結
【起】明け方の若者たち のあらすじ①
大学の内定が決まった人だけが集まる勝ち組飲み会で、僕はつまらなさそうにしている彼女を見つけます。
携帯を無くしたという彼女に、僕は言われた番号をかけてあげるのでした。
先に帰ってしまった彼女でしたが、その後「私と飲んだ方が楽しいかもよ」LINEが入り僕は彼女と待ち合わせします。
クジラ公園で缶のハイボールで飲み直した2人は、昔聴いていた音楽の話をすると少し時代がかみ合わず彼女は僕より年上だと分かります。
彼女は大学院生でした。
別れ際に「俺といたらきっと楽しいよ」という僕に彼女は「ありがとう」と答えます。
僕は、彼女から演劇を見に行かないかと誘われて下北沢に行きます。
演劇を見て、これから就職をする自分たちの延長の話だと彼女はいいます。
餃子を食べながら2人はクイズを出し合い、罰ゲームで手の甲をつねり痛いから辞めてと手を抑えて互いを意識するのでした。
そのあとどうしようと思っていた2人でしたが、彼女が「もうちょっと押してくれたらいいかも」と遠回しに誘ったので2人はホテルに泊まることにしました。
【承】明け方の若者たち のあらすじ②
印刷会社に就職した僕は、研修でリーダーシップのある同期の古賀尚人に出会います。
アパレル会社に就職した彼女は、仕事にやりがいを感じて生き生きとしていました。
僕も尚人も就職したら企画がしたいという夢がありましたが、僕の配属先は総務部で、僕のやりたいこととは違います。
さっそく僕は、彼女に配属先について愚痴り、彼女に励まされるのでした。
尚人の配属は営業部で、自分のやりたいこととは違いましたが、こんなはずじゃなかったという僕に「問題を環境のせいにするなっていうし」と社会人を楽しもうと乾杯します。
高円寺で一人暮らしをし始めた僕。
引っ越しを彼女と尚人に手伝ってもらいます。
一日で片付け僕のおごりで飲みに行った3人は、仕事ではできない企画を考えて盛り上がり、カラオケをし、路上で飲み直し明け方まで盛り上がりました。
3人は、明け方のこの時間が幸せだと、今日が終わることを嘆くのでした。
ある日、会社の上司がフジロックに行くと知った僕は彼女に自分たちも行きたいとねだりますが、彼女に断られます。
しかし、彼女はその代わりにどこか出かけようと、高級なリゾートホテルを予約して僕と2人で旅をします。
僕が彼女を抱きながら涙をこぼし「好きだよ」といいますが彼女は「ありがとう」といって僕を引き寄せました。
【転】明け方の若者たち のあらすじ③
僕は旅行以来彼女と連絡がつかなくなりました。
ある日、会社で同僚の指が飛ぶ事故が発生し、僕は同僚の指を氷付けにします。
不謹慎だけど、その事実に興奮したと尚人に話す僕。
僕はそれほど日常に退屈さを覚えていたのでした。
その後、僕は尚人とバッティングセンターに行きます。
彼女と会えなくなった僕に尚人は、「来る時が来たってやつか。」
と言います。
彼女は、他の男性と結婚している人だったのです。
僕は、彼女と出会った時に、夫が海外赴任している話を聞いていたのにも関わらず付き合い始めたのでした。
連絡のつかなくなった彼女に僕は、もう一度会おうとLINEをします。
僕と彼女は、喫茶店で会い、「急に帰ってきた。」
だから連絡できなかったと彼女はいうのでした。
僕は彼女に「嘘でもいいから言って少しでも好きだった?」と聞くと「ごめんね。
すっごく好きだったよ。」
と答えます。
以前、彼女に「なんで僕だったの?」と聞いたら「横顔が旦那と似ていたから」と言われたのでした。
僕は、それから廃人のようになり会社を休んでしまいます。
風呂場にある彼女の歯ブラシを見つけ、風呂場で自分の頭を打ち続けてしまうのでした。
尚人が心配して、僕の家を訪ねてタイミングよく僕を発見し、僕に甘い珈琲を飲ませ落ち着かせてくれました。
会社に復帰した僕を周りの人は気遣ってくれるのでした。
【結】明け方の若者たち のあらすじ④
僕は、尚人に彼女を忘れるためと風俗に誘われます。
風俗に行ったことないとは断りましたが、やっぱり行くことになりました。
風俗嬢に「好きな人はどんな人だった?」と聞かれ、「貧乳だった。
声もしぐさも不機嫌な顔も好きだった。
2番でいいから会っている時は自分を思って欲しかった。」
と泣きました。
その後、尚人が次のステージに行くと退職してしまい、次に会う時は、新しい彼女を紹介しろと言って別れました。
さらにもう一人の同期は、結婚し子どもができています。
久しぶりに大学の同級生と会い、化粧品を一緒に売ろうと持ちかけられます。
久しぶりに昔よく言った居酒屋で尚人に会い異動願いを出した話、さっき会った同級生からネズミ講の話を持ち掛けられた話をして笑います。
帰り道、寄り道して帰るという僕に尚人は、元カノとの「聖地巡礼?」と茶化します。
僕は、彼女と行った場所を巡りクジラの公園につきました。
そこには、ハイボールの空き缶が2つあり、そして携帯が見当たらない自分に笑うのでした。
明け方の若者たち を観た感想
スピンオフの「ある夜、彼女は明け方を想う」を観てから「明け方の若者たち」を観た方が、細かいところを確認できるように感じます。
先に、「明け方の若者たち」観たら秘密を知った時の驚きはひとしおですが、それまでが平坦すぎて退屈に感じてしまうのではないでしょうか。
一昔前なら男女逆転のストーリーだと感じます。
とっても可愛いけれどつかみどころの無い彼女。
大人のようで、自分の都合に巻き込む彼女とよく長く続いたなと感心します。
一目ぼれをして分かっていてものめり込んでしまった主人公の僕を共感するわけでも応援するわけでもないのですが、明大前、下北、高円寺と東京で若い頃過ごした人なら誰もがふらふらしたことのある街で、自分だったかも知れない僕や彼女を感じてちょっと感傷的になれる作品です。
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