【ネタバレ有り】蛇にピアス のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:金原ひとみ 2006年6月に集英社文庫から出版
蛇にピアスの主要登場人物
中沢ルイ(なかざわるい)
本作のヒロイン。アマに誘われ身体改造の世界に入り込む。
雨田和則(あまだかずのり)
本作の主人公の一人。身体改造にはまっている。
柴田キヅキ(しばたきづき)
本作の主人公の一人。刺青などの身体改造を施す店のオーナー。
マキ(まき)
ルイの友人。
蛇にピアス の簡単なあらすじ
ある日、「ルイ」は蛇のような舌をもった男、「アマ」と出会う。その、蛇の舌は、スプリットターンというもの。ピアスや刺青などといった身体改造の一つだった。一瞬で身体改造に魅せられたルイはアマと共に身体改造にはまり、それを施すのを生業としている「シバ」に身体改造を施してもらう。しかし、突然、アマが消えてしまう。
蛇にピアス の起承転結
【起】蛇にピアス のあらすじ①
アマとルイの出会いは、スプリットターンだった。
アマは、蛇のように二つに割れた舌を持ち、たばこをくわえてこう言った。
「君も身体改造してみない。」
ルイは一瞬でそのスプリットターンの魅力に惹かれ、身体改造の世界へと入り込んだ。
同時に、派手な容姿を持つ二人はつきあい始める。
アマ行きつけの身体改造を施してもらう店のオーナーは、シバという男だ。
シバは、ルイにスプリットターンを行うための舌ピアスを施し、刺青を彫ってもらうことになった。
デザインは龍にした。
飛んでいかないように。
そのうち、ルイは、シバと体の関係となった。
。
ある日、アマはヤンキーに絡まれたルイを助けるため、ヤンキーを殺して、殺した相手の歯を愛の証としてルイに渡した。
【承】蛇にピアス のあらすじ②
ルイは、アマが警察に見つかるのではないかと気がきでならず、アマの髪の色をセンスがないと言いながら変え、アマの刺青が見えないように長袖の着用を言い渡した。
アマは、暢気にルイは優しいと言いうれしそうにしている。
マイペースでルイの事を愛しているという態度を見せるアマにルイは次第にあきれ始める。
シバとの関係は依然続いている。
ルイは段々と食欲がなくなっていきアル中気味になる。
アマに注意されても治すことができない。
そんな中、刺青をついに施してもらうことになったときルイはシバに、龍が飛んでいかないように瞳は描かないでほしいとお願いする。
ある日、段々とやせていくルイにシバは心配しながら、いつか結婚してくれと言った。
その日のことだった。
アマが家に帰ってこなかった。
【転】蛇にピアス のあらすじ③
アマが、家に帰ってこない。
取り乱したルイは、シバの所へ行った。
捜索願を出したかったが、名前を知らなかったからだ。
つきあっているのに、ずっと一緒にいたのに名前も知らない、家族のこともしらない、何も知らない。
その事実にルイはたたきのめされた。
警察に捕まるかもしれないというのは、その時にはどうでも良くなっていた。
ここからルイは段々とおかしくなっていく。
アマのジュエリーボックスを開けて舌ピアスの拡張を一気にあげた。
溢れる血を飲み込んでアマならなんと言うだろうかと想像した。
アル中気味であった体調も、もっとひどくなり、食べ物を食べられなくなった。
見かねたシバは、ルイに食べろと食べ物を勧めるが「無理」ということしか出来なかった。
その後、アマが死体で発見された。
【結】蛇にピアス のあらすじ④
ルイは段々とシバといることが多くなってきた。
相変わらず、食べることは出来ず、医者からもこのままだと死ぬと言われた。
シバの店を手伝っているとシバに名前で呼べ、と言われた。
本名は柴田キヅキ。
言いにくい名前だと感じながらも名で呼ぶことにした。
その日、警察から呼び出された。
アマが陰部にEcstasyというお香が挿入されてありい、レイプされた可能性がある、バイセクシャルの傾向がないか聞かれた。
ルイはそんな訳がないと警察に怒りを込めて無いと言い張った。
しかし、後日、シバの店を手伝っていたとき同じお香を見つけてしまった。
ルイは全てを悟ってしまい、すぐにお香を別のものに取り替え、アマからもらった歯を砕いて流し込み龍の瞳を彫ってもらうことにした。
蛇にピアス を読んだ読書感想
この本は、なかなか衝撃を与えられるものだった。
大変、過激な作品であると思ったが汚いと思うようなことが無く、透き通ったような物語で、文章量も多くないためおすすめの一冊でした。
ルイとアマの仲は決して良好とはいえないが、不仲でもなく、いるのが当たり前な存在で、相手がいなくなった時に初めて大事さに気がつく類の愛でした。
これだけでも、切ないのに、最後に判明した、アマを殺した犯人を知ってしまった時のルイの対応や、その気持ちを考えると切ない気持ちが大きくなり言い表せなくなりました。
また、この作品は著者のデビュー作であり、芥川賞作品です。
それだけに、読者を飽きさせることのなく、むしろ頭を作品に没頭させてくれるような作品でした。
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