監督:行定勲 2020年9月にファントム・フィルムから配給
窮鼠はチーズの夢を見るの主要登場人物
大伴恭一(大倉忠義)
本作の主人公。結婚していて男には興味ないと思っていたが、離婚後渉と恋人になる。
今ヶ瀬渉(成田凌)
探偵。大学時代に恭一に一目ぼれ。
岡村たまき(吉田志織)
恭一の部下。
夏生(さとうほなみ)
恭一と渉と大学時代に同じサークルに所属。恭一の元カノジョ。
窮鼠はチーズの夢を見る の簡単なあらすじ
探偵の渉は、恭一の妻から浮気調査を依頼されますが、恭一の気持ちをくんで浮気をもみ消します。
その代わり、キスをしてもらうことに成功。
渉は、大学時代から恭一のことが好きだったのです。
その後離婚し、流されやすい性格の恭一は、渉のペースにはまっていきます。
渉は、付かず離れず上手に駆け引きをし、ノンケだった恭一もいつしか渉のことを受け入れていくのでした。
窮鼠はチーズの夢を見る の起承転結
【起】窮鼠はチーズの夢を見る のあらすじ①
仕事が終わると、大学の後輩の今ヶ瀬渉が大伴恭一を待っていました。
渉は、現在探偵事務所で働いていて、恭一の妻・知佳子から恭一の浮気調査をお願いされています。
渉は、恭一の浮気現場の写真を捕らえていて、どうしたら良いものか相談にきたのでした。
渉は、仕事を全うしたい気持ちと、恭一を助けたい気持ちの両方で揺れていました。
知佳子が好きだから見逃して欲しいという恭一に、渉は条件は、キスをするという条件を出します。
恭一は、その条件をのんで渉のキスを受け入れ、浮気を妻にバレずに済みましたが、ちっとも反省せずにまた浮気相手の家に通っています。
浮気相手の家の外で、渉が待っていて、恭一の妻・知佳子が調査を続行して欲しいとお願いしてきたと言うのです。
渉に脅され恭一は、また渉とキスをする羽目になり、今度は口だけのキスでは済みませんでした。
恭一は会社でも部下のたまきにとても優しく、相手に好意を抱かせてしまい、少し反省した恭一は、知佳子と休みの日に映画を見て買い物をする約束をします。
とても優しい恭一にいたたまれなくなった知香子は泣き出し、別れようと言うのでした。
知佳子は恭一との関係を、生活費を入れてくれるだけの関係と感じ、1年前から浮気していました。
恭一の浮気現場を押さえて、慰謝料を取ろうと考えていましたが、恭一からは何も出ずに本当のことを話して離婚することになりました。
【承】窮鼠はチーズの夢を見る のあらすじ②
離婚した恭一はふと渉を思い出し連絡しますが、渉が男といると勘付き気を使い電話を切ります。
渉は大学のサークル勧誘の時に、恭一に一目ぼれし、一途に見つめてくる渉の気持ちを恭一も、うすうす感づいていました。
離婚後引っ越した恭一のマンションに、渉が訪ねてきたので部屋に上げました。
恋人と別れた渉は、恭一に僕と付き合いませんか?と聞くと拒まれますが、たまに飲んで連休に温泉に行こうと誘うとそれは拒みません。
それをいいことに渉は、恭一が喜ぶことをすると、それも結局拒まない恭一です。
結局、渉はそのまま恭一の部屋に居ついてしまい半同棲が始まりましたが、必要以上に甘えることを恭一は許しませんでした。
二人は上手くいっていましたが、恭一は仕事で元・浮気相手と再会し、その後家に呼び出され再び体の関係を結んでしまいます。
帰りが遅くなった恭一の携帯を渉は勝手に見てその事実を知り、恭一を責め出ていってしまいました。
恭一は渉と付き合っているつもりはありませんでしたが、渉が居ないのを寂しく思い渉に電話しご飯に誘います。
そして再び自分の部屋に上げ、その後二人は以前より恋人っぽくなっていきました。
【転】窮鼠はチーズの夢を見る のあらすじ③
恭一は、大学時代の友人・夏生と再会します。
恭一と夏生が店でご飯を食べているところに渉と友達が入ってきて、渉と夏生も知り合いで、相席することになりました。
恭一は、渉の連れにヤキモチを妬くと同時に、渉とその人と自分は世界が違うと感じてしまいました。
結局渉は先に帰ってしまい、ベロベロに酔った恭一を夏生がタクシーで送ると部屋から渉が出てきて夏生は驚くのでした。
恭一はその後も夏生と会っていて、渉がキスしてくるのを拒むようになりました。
渉は夏生を呼び出し、引いてくれとお願いしますが、夏生は恭一はハーメルンの笛吹きについていくネズミと同じだというのです。
みすみすドブに溺れさせるわけにはいかないと、夏生は渉をドブ呼ばわりするのでした。
そこに恭一が現れ、夏生は今日どちらをお持ち帰りするのかここで決めてと、せがみます。
普通の男には無理だから渉を選ぶわけには行かないと、恭一は夏生と店を出てしまうのでした。
しかし、恭一は夏生に男として反応できず、渉を悲しませたくない気持ちはどういう気持ちなのかと夏生に聞き、夏生はあきれて帰ってしまうのでした。
渉は帰ってきた恭一に俺と寝て下さいとお願いし、拒まれたらもう二度と触らないと言う渉のことを恭一は、ようやく受け入れるのでした。
その次の朝、恭一は渉に家賃がもったいないから、住んでない家を引き払えといいます。
さらに恭一は、渉の誕生日には生まれ年のワインをプレゼントし、大学時代先輩のタバコになりたかったという渉にバカだねえと言いながら頬をなでるでした。
【結】窮鼠はチーズの夢を見る のあらすじ④
ある日突然たまきの父が亡くなり、恭一はたまきに寄り添ってしまいます。
喪服にファンデーションがついていたのにも関わらず、クリーニングに出さなかった恭一。
それに対して渉は、たまきとの関係を察して欲しいとのかと勘違いし、恭一に別れを切り出してしまうのでした。
恭一は、「終わりにしよう。
ずっと苦しかったろ?」と言って別れを受け入れ二人は夜明けの海へ。
その後たまきと付き合うことにした恭一。
恭一の部屋にある灰皿に気が付いたたまきに恭一は、出ていった人がこれだけはと置いていったものだと言います。
そんなことをしなくても忘れないのにと恭一はたまきに言うのでした。
その後、恭一はゲイの集まるバーに渉を探しに行き、渉を思い出し涙するのでした。
渉も遠くからいつも恭一を見ていました。
たまきと結婚を決めた恭一。
渉は恭一のあとをつけ、側においてください時々会ってくださいとお願いしますが、お前はもういらないと恭一は、渉を突き放したのでした。
たまきは恭一の部屋にライターが置いてあることに気が付き、泊まらずに帰ります。
たまきが帰ったので、恭一は渉を部屋に誘い、結局二人は元の関係に戻り、恭一はたまきと別れると言うのでした。
けれど朝になると渉の姿はありません。
それでも、恭一はたまきに別れを告げ、たまきは、その人が戻ってくるまで側に居させて欲しいと頼みますが、恭一は一人で渉のことを待っているのでした。
窮鼠はチーズの夢を見る を観た感想
行定監督の恋愛ものは、見た後の余韻がいつも凄くて虚しい気持ちになってしまいます。
やはり恋愛ものには壁がつきものなのだと思います。
受け身で流されやすい恭一でしたが、最後たまきのお願いには流されませんでした。
渉は、しつこいように見えて攻める時と引く時の加減が上手なのだと思います。
そのテクニックとマメさと一途さに恭一は堕ちたのでしょう。
男も女も関係なく、人間性に惹かれたのだと思いますが、元々ゲイではない恭一だったから決断するのに時間がかかり、さらにお互いがお互いを想うあまり結ばれないと言う結果が切なくて、男女の恋愛映画より見ていて苦しかったです。
成田凌さんが渉そのものに見えました。
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