監督:パコ・プラザ 本国公開2012年3月28日に日本公開の際の配給元ブロードメディア・スタジオから配給
REC/レック3の主要登場人物
クララ(レティシア・ドレラ)
コルドの花嫁。披露宴会場を襲ったウイルスパニックの最中、コルドとの再開を望むあまり次第にタフになる。
コルド(ディエゴ・マルティン)
クララの新郎。未知のウイルス感染に巻き込まれながらも、必死にクララを探す。
ラファ(イスマエル・マルティネス)
結婚式の参列者の一人。会場が地獄と化していることに気付かず、知り合った女性とイチャイチャしていた。
アドリアン(アレックス・モネール)
コルドの従兄弟。式の様子をビデオカメラで記録していた。
REC/レック3 の簡単なあらすじ
コルドとクララの新郎新婦は結婚式を挙げ、これから明るい未来を共に築いていこうと、お互いの愛を誓い合っていました。
しかし、幸せいっぱいの会場を謎の感染パニックが襲い、会場は混乱に包まれてます。
逃げ惑う中、二人は離ればなれになってしまい、再開を試みようと感染者で溢れ変える広大な会場内をお互い様の捜索に出ます。
前作までの「REC/レック」シリーズとは異なり、本作からパコ・プラザ氏単独での監督作です。
REC/レック3 の起承転結
【起】REC/レック3 のあらすじ①
前作までの舞台となったアパートでの惨劇と同日に、コルドとクララの結婚式が執り行われます。
式の会場には彼らを祝う大勢の人々が駆けつけ、親族や友人など皆が彼らの前途を祝い、会場中が祝福に包まれていました。
コルドは来場するゲストをもてなし、叔父のペペは式の前に病院で犬に手を噛みつかれたため若干不調ではありますが、それでも笑顔で来場してくれました。
コルドの従兄弟のアドリアンはビデオカメラで会場を撮影しており、クレドとクララの結婚式も無事に終了し、大型バスで披露宴会場に向かかいます。
すっかり日も暮れ、披露宴は大盛り上がりで、スポンジ・ボブにそっくりのキャラクターのスポンジ・ジョンや、クララが余興に混ざりダンスを披露するなど、皆がハメを外して楽しんでいる様子ですが、徐々に不穏な空気が漂い始めます。
会場の外にはパトカーが待機していたり、敷地内を消毒する作業員など、何故か結婚式とは無関係な人物達の姿が現れ始めます。
その上、犬に噛まれたペペが会場の外で嘔吐しており、どうやら酒に酔っているわけではなさそうです。
【承】REC/レック3 のあらすじ②
外での何やら物騒な事態を感じさせる空気は、会場内にまで浸透されていませんでしたが、遂に会場中が阿鼻叫喚の地獄へと変貌します。
披露宴が興奮の坩堝の最中、ペペが二階から落下し、彼の安否を確かめようとした妻が噛みつかれ、そこから猛スピードで感染が拡がります。
会場中にパニックが拡がり、コルドとクララも離ればなれになり、感染者達の襲撃から必死で逃げます。
コルドは親類達とキッチンに逃げ込みますが、感染者達の追撃が迫っていたため、ダクトから脱出を試みます。
しかし、カメラマンのアトゥンは大柄な体型のため、狭いダクトを通ることが難しいと判断したため、その場逃れに残ります。
彼はアドリアンにハンディカメラを託すと、覚悟を決めたように笑顔を見せ彼らを見送ります。
ダクトは庭と繋がっており、外に出たコルド達一行を膨大な感染者達が待ち受けていました。
絶体絶命でしたが、敷地内にある教会に逃げ込んだことで事なきを得ます。
どうやら感染者達は教会には入ってこれないようです。
【転】REC/レック3 のあらすじ③
教会内にはクララの姿はなく、コルドは焦ります。
しかし、クララが館内放送を通じて自身の身が安全なことと、妊娠していることをコルドに知らせます。
この知らせを聞いてコルドは安堵の表情を浮かべ、仲間達も妊娠の知らせを嬉しそうに聞いていました。
コルドはクララと再開すべく、教会内にあった甲冑と武器を携え、放送があった中央管制室へと向かいます。
一方で、クララは神父と一緒に感染者達の魔の手から隠れており、いよいよ襲撃に合いそうな状況でした。
神父曰く、会場中に巻き起こった現象は悪魔による仕業とのことで、悲観した様子でしたがクララが渇を入れたことで正気を取り戻します。
二人は消防用のホースを利用して階下の部屋へと移動すると、この状況を全く把握していないラファと女性に遭遇します。
コルドは何とか管制室に到着しますがクララは見当たらず、モニターには別行動していたアドリアン達がバスに逃げ込んだ末、感染者達の襲撃に合う様を目の当たりにします。
クララ達は道中で感染者達から襲われますが、神父が聖書の一節を読み上げると、それまで獰猛だった感染者達がピタリと動きを止め、鏡に写った彼らの姿が正に人外のものだったので、神父が唱える悪魔の存在を信じます。
クララは感染した母親との対峙や仲間の犠牲など、悲惨な出来事に遭遇しながらもラファと共に地下道まで逃げ込みます。
【結】REC/レック3 のあらすじ④
外に逃げようと主張するラファでしたが、「コルドを探しに行く!」とクララが強く主張するため会場内を目指して進みます。
チェーンソーで武装し、ウエディングドレスを動きやすいように切り捨てると、感染者達に向かって自ら切り込みます。
しかしラファが噛まれてしまい、まだ息は残っていましたが、感染者達として襲ってくることを懸念してクララは彼の首を切断します。
一方で、クララが見つからず途方に暮れていたコルドはキッチンに戻りますが、アトゥンは死亡しておりペペに襲われますが撃退します。
床を見ると地下道が確認でき、クララが走り去っていく姿を目撃します。
彼女に声をかけ、反応したクララはキッチンへとつながり梯子を登りコルドに接近し、ようやく再開します。
辺りは感染者だらけでしたが、神父が館内放送で聖書を読み上げてくれたので、襲われることもなく庭まで出ることが出来ました。
脱出は目前と油断してしまい、日頃から補聴器が必要なほど耳が遠かった祖父にクララが噛まれてしまいます。
感染後は補聴器を耳に装着しておらず、神父が読み上げる聖書の言葉が聞こえなかったためです。
コルドは怒りに任せ祖父を剣で始末し、感染が身体に拡がる前に噛まれた腕を切り落とそうとします。
剣に写ったクララの表情は既に悪魔のもので、覚悟を決めて切断しますが、顔面蒼白で既に手遅れの状態です。
コルドはそんな彼女を抱き抱え、警察や軍隊が待機する玄関先へと歩を進めます。
「敷地内から出るな。
」と警告される中、二人は口づけを交わし、その刹那クララが完全に豹変してコルドの舌を噛みちぎります。
二人めがけて銃弾が乱射され、僅かに残る意識の中で二人は寄り添い、結婚式で永遠の愛を誓ったように手を重ね絶命し、物語は終焉します。
REC/レック3 を観た感想
「REC/レック」シリーズの3作目の本作では、それまでのPOV方式での撮影方法と、従来の映画のようなカメラパートも挿入されています。
これを良しとするかで本作の評価が割れると思いますが、2作品まで続いた一人称視点オンリーの展開にも少々飽きていましたので、個人的には両方の撮影方法が上手くバランスが取れていた良作だと思います。
恋愛要素も盛り込まれており、アドリブでの芝居を中心に展開される披露宴でのシーンでは心がホッコリさせられるなど、この手のホラーでは珍しい要素の導入も斬新に感じました。
「俺達に明日はない」のオマージュとも言えるラストシーンも妙に印象的で、視聴後は悲しく切ない結末の余韻がしばらく残りました。
「1」と「2」とは繋がっていなさそうで実は繋がっており、ウイルス感染した犬や「1」のアパートの映像など、それまでのシリーズ作品から順に視聴すれば、より本作を楽しむことが出来るでしょう。
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