映画「アイ・アム・レジェンド」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|フランシス・ローレンス

アイ・アム・レジェンド

監督:フランシス・ローレンス 2007年12月にワーナー・ブラザースから配給

アイ・アム・レジェンドの主要登場人物

ロバート・ネビル(ウィル・スミス)
この物語の主人公。軍の科学者であり、クリピン・ウイルスの研究者。

アナ(アリシー・ブラガ)
数少ない生存者の1人。神への信仰心が強い。

イーサン(チャーリー・ターハン)
まだ幼いアナの息子

アルファ・メイル(ダッシュ・ミホク)
ダーク・シーカーのボス。見た目はゾンビだが、感情を持っているように見える。

ゾーイ・ネビル(サリー・リチャードソン)
ロバートの妻。主に回想シーンに登場。

アイ・アム・レジェンド の簡単なあらすじ

ニューヨークでは謎のウィルスが繁殖し、都市が封鎖されました。

ウィルスに犯された人々が、凶暴化したためです。

それから3年後、科学者であるロバートは愛犬とともに廃墟と化したニューヨークで、ひっそりと暮らします。

彼の知る限り、生き残りは自分だけ。

妻子も失い悲しみに暮れる中、ロバートはウィルスの薬の研究を続けていました。

ある日生存者アナに出会ったロバートは自身を犠牲にし、新薬を彼女に託します。

生存者のコロニーに辿り着いたアナは、新薬を手渡しました。

アイ・アム・レジェンド の起承転結

【起】アイ・アム・レジェンド のあらすじ①

治療薬がパンデミックを招く

近未来のニューヨークでは、クリピン・ウイルスというウイルスが発生していました。

街が封鎖されるということで、主人公のロバートは、愛する家族を避難させるべく車を走らせます。

軍の科学者であるロバートは研究のため、危険区域のニューヨークに残るつもりですが、妻のゾーイは不安顔。

愛犬であるサムのみが、ロバートと一緒に残りました。

このパンデミックは、クリピン博士が開発したがんの治療薬が事の発端でした。

その薬はがんが完治すると言われており、1万9人に投与されたのです。

しかしその内5,000人の患者から、まるで狂犬病のような症状が出ます。

これが、クリピン・ウイルスのはじまりでした。

凶暴化した人々は「ダーク・シーカー」と呼ばれ、超人的な力を持ち、ゾンビのように人々に襲い掛かります。

そしてかまれた人々はダーク・シーカー化するため、どんどん人類が減っていくのでした。

2012年。

パンデミックから3年ほどが過ぎ、ニューヨークからは人類が消滅していました。

ゆいいつ、生き残ったと思われるロバートと愛犬のサムは、さびしい毎日を送ります。

食べものは、その辺をうろうろ歩きまわっている獣やサトウキビなどです。

【承】アイ・アム・レジェンド のあらすじ②

孤独なロバート

ロバートの家は、完璧に安全対策が施されていました。

なぜなら人類は滅びたものの、辺り一面にダーク・シーカーがうろついているからです。

またダーク・シーカーは太陽の光や紫外線に弱いため、これらの弱みを理解していれば、何とか回避することが可能です。

ロバートは今も尚、研究を続けています。

それはウィルスに感染したマウスに薬を投与し、結果を見るという地道な研究でした。

ある日ロバートは薬の投与によって、一匹のマウスの凶暴性が抑えられたことを発見します。

その後ロバートは廃虚と化した無人のCDショップへ行き、お気に入りのCDを探します。

ショップ内には人が居る雰囲気を出すため、あちこちにマネキンが配置されていました。

さらにロバートはもしも生存者がいた場合のことを考え、ラジオ放送で「サウス・ストリート・シーポートに毎日正午にいる、君は独りではない」とメッセージを送ります。

しかし3年間これを続けても、生存者が訪ねて来ることはありませんでした。

ある日ロバートは、命がけでダーク・シーカーに罠を仕掛けを捕獲することに成功します。

研究室に戻り、先日マウスに投与した治療薬をダーク・シーカーに投与し結果をみますが、効果は期待出来ないようで、ロバートは癇癪を起こしました。

【転】アイ・アム・レジェンド のあらすじ③

愛犬の死、生存者との出会い

後日ロバートは、CDショップにレイアウトしたはずのマネキンの”フレッド”が屋外の思いがけない場所で、突っ立ているのを見かけます。

混乱したロバートはマネキンを撃ち倒し、近くまで歩み寄ろうとしました。

しかしこれは、ダーク・シーカーのワナだったのです。

リーダーであるアルファ・メイルは、先日ロバートが女性のダーク・シーカーを捕獲したことに腹を立てたのでしょう。

そこで彼はロバートがダーク・シーカーに仕掛けたワナと同様のものを用意したのです。

宙吊りにされたロバートは何とかワナから抜け出しますが、足を負傷してしまいます。

その上アルファ・メイルから狂犬を放たれたせいで、そばにいたサムがかまれてしまいました。

ロバートは自宅にサムを連れ帰り血清を打ちますが、サムの歯は既に凶暴化しています。

そこでロバートは、サムがダーク・シーカーになる前に、泣く泣く愛犬を絞殺しました。

怒りと悲しみの余りロバートは車に乗ったまま、ダーク・シーカーの集団に突っ込み攻撃しますが、逆に反撃されてしまいます。

しかしギリギリのタイミングでアナと言う名の女性に助けられました。

翌朝自宅のベッドで目を覚ましたロバートは、キッチンにアナとその子供のイーサンが居ることに驚きます。

傷の手当てもされていました。

アナたちは、ロバートが毎日放送しているラジオを聞き、メリーランドから訪ねてきたのです。

【結】アイ・アム・レジェンド のあらすじ④

ロバートの研究に希望の光

アナは、バーモントにある生存者の村へ行くと言います。

ロバートは生存者の村があるということを信じられず、反論しました。

久しぶりに人と話したので混乱しているのもありますが、ロバートは自分がニューヨークに残り、世界を救うという意思をアナに伝えます。

その後ロバートとアナは次第に打ち解け、音楽の話をしました。

ロバートは、アナがボブ・マーリーを知らないことにちょっと驚きます。

その夜、ダーク・シーカーらがロバートの家を襲ってきました。

アナがロバートを助けた日、夜中に帰宅したため、夜行性のダーク・シーカーに住家がばれてしまったのです。

ロバートは庭に仕掛けていた爆弾を爆発させるなど手を尽くしますが、室内まで侵略されてしまったため、地下の研究室へ逃げ込みます。

しかし驚いたことに先日実験のため血清を投与したダーク・シーカーは、徐々に人間に戻りつつあるのです。

研究の成果が出たと知ったロバートは、アナに血清を託し、安全な小部屋へ避難させ、自分はダークシーカーのボスのアルファ・メイルと共に爆死しました。

後日アナとイーサンはバーモント州のコロニーを発見し、生存者らと出会います。

アナは生存者らにロバートが預けた血清を、手渡しました。

ロバートはダーク・シーカーを人間に戻す薬の開発により、伝説の人となったのです。

アイ・アム・レジェンド を観た感想

物語はロバートの回想によって、過去に起こった出来事が徐々に解き明かされる仕組みです。

絶えず愛犬やマネキンに話しかけるウィル・スミスの一人芝居が秀逸で、これらのセリフから孤独の苦しみや狂気が伝わって来ます。

ストーリーが進行するにつれ事態は深刻になっていきますが、特にロバートが愛犬を殺さなければならないシーンは観ていて痛々しいものがありました。

劇中でロバートが、ボブ・マーリーを聞きながら「闇を光で照らすんだ」と語るシーンは特に印象的です。

本作品の原作は、リチャード・マシスンの同名小説『アイ・アム・レジェンド』。

この小説は、過去に二度ほど映画化されています。

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