監督：内田英治 2020年９月25日にキノフィルムズから配給
ミッドナイトスワンの主要登場人物
凪沙（草�g剛）
主人公。新宿のショーパブで働くトランスジェンダー。従妹の娘一果を預かることになる。
桜田一果（服部樹咲）
凪沙の従妹・早織の娘（中学生）。母親から虐待を受けていたことから、一時、凪沙に預けられる。
桜田早織（水川あさみ）
凪沙の従妹で、一果の母親。アルコール依存症。
桑田りん（上野鈴華）
一果と同じ中学校に通う１学年上の先輩で、一果がバレエ教室に通うために協力してくれる。
ミッドナイトスワン の簡単なあらすじ
東京・新宿にあるニューハーフショークラブ「スイートピー」で働くトランスジェンダーの凪沙。
そんな凪沙の元に凪沙の従妹の娘・一果が預けられることになります。
「好きであんたを預かるわけじゃない」戸惑う一果に、凪沙はそう言い放つのでした。
ある日、バレエ教室に興味を持った一果は、バレエの月謝を払うために凪沙に内緒で怪しげなバイトを始めます。
しかし、警察に保護され凪沙にバレることとなり…。
そんな一果の姿を見て凪沙は、一果を優しく受け止めるようになっていくのでした。
そして、一果実がバレエの才能を開花させていくのと同時に、凪沙の心に「母になりたい」という一途な気持ちが芽生えていくのです。
ミッドナイトスワン の起承転結
【起】ミッドナイトスワン のあらすじ①
故郷である東広島を離れ、１人ひたむきに生きる主人公・凪沙（草�g剛）。
凪沙はトランスジェンダーという悩みを抱えながら、新宿のニューハーフショークラブ「スイートピー」で働く毎日を送っていました。
今日もまたいつものように仕事場へ行き、同じような１日が始まろうとしています。
すると、そんな凪沙の元に母親から１本の電話がありました。
それによると母親は、「凪沙の従妹・早織の娘・一果を預かってほしい」と凪沙にいうのです。
なんでも、従妹・早織の生活は荒れ放題なのだそう。
酒におぼれ、１人娘の一果に支払われる養育費が目当てなだけで、一果に対してはネグレクトという名の虐待が続いているというものでした。
そのため、母親は凪沙に一時的に一果を預かり面倒をみてほしいというのでした。
そして、一果は凪沙の元へ…。
叔父と聞かされ凪沙を訪ねて行った一果実は、凪沙の姿を見て戸惑います。
そして、そんな一果に「子供は嫌い」と凪沙言い放ちます。
ここから２人の生活が始まるのでした。
【承】ミッドナイトスワン のあらすじ②
一果を預かった凪沙は、まず一果の転校手続きのために中学校へと向かいます。
しかし、大きなピアスにサングラスなどといった派手な格好の凪沙に学校内は騒然。
凪沙は、学校で異様に目立ってしまうのでした。
これにより、同じ学校の男子生徒に「あれは、お父さん？お母さん？」と、一果はからかわれてしまいます。
その後、一果はその相手に対し椅子を投げつけ学校で問題を起こしてしまうのでした。
一果が問題を起こしたことにより、学校に呼び出された凪沙。
一方、一果は学校帰りにあるバレエ教室を覗き、そこでバレエに魅了されてしまいます。
バレエを習いたいと思う一果ではありましたが、問題はお金。
凪沙に相談しようにも、一果が家に帰ると学校から呼び出されたことに対し凪沙が苛立っています。
一果に対し、「あんたが学校で何をしようといいけど、私に迷惑をかけないで」と言う凪沙を前に、一果はとても「バレエを習いたい」などとは相談できないのでした。
【転】ミッドナイトスワン のあらすじ③
一果は、バレエ教室に通いたいと思うもお金の問題が解決せず通うことができないでいました。
そんな一果に、同じ学校でバレリーナを目指す りん（上野鈴華）が声をかけます。
りんは、一果が月謝を払えないためバレエに通えないということを知ると、一果に怪しげなアルバイトを紹介。
一果は、バレエの月謝のために秋葉原にあるそのお店で働き始めるのでした。
これにより一果はバレエに通うことができ、バレエの実力も次第に上達していくのですが…。
もうすぐコンクールに出場できる！というときに、一果は警察に捕まってしまうのでした。
そして、それをきっかけにバレエ教室に通っていることが凪沙にバレてしまいます。
一果がバレエを凪沙に内緒で通い続けていたこと。
そして、バレエの先生から「一果にバレエの才能がある」と知らされたこと。
これを知った凪沙は、母性本当というべき一果への想いが溢れだし…。
いつしか、一果を守ってやりたいと思い始めるのでした。
【結】ミッドナイトスワン のあらすじ④
バレエコンクール当日、いきなり一果の実母・早織が会場にやってきます。
そして、一果が予選から無事に決勝に進んだそのときハプニングが起こりました。
決勝で「白鳥の湖」を踊る予定だった一果でしたが、土壇場にきて緊張してしまった一果は、救いを求めるつもりで、会場を見回しながら「お母さん」と囁きます。
そこで凪沙が立ち上がりますが、早織が一果の元に駆け寄り抱きしめるのでした。
そんな2人の姿を目にした凪沙はそのまま会場を出ていき…。
そして、一果は広島へと帰っていくことになります。
一年が経ち…。
凪沙は、性別適合手術を受けるために、これからタイへと旅立とうとしています。
一方その頃、広島にいた一果はバレエの先生から「りんがビルから飛び降り死んだ」と聞かされていました。
手術を受け、タイから日本へ戻った凪沙は広島の一果の元へ。
しかし、早織の妨害により一果を連れ戻すことは叶いませんでした。
その後、凪沙に会いに今度は一果が東京へと向かいます。
すると、探しても探しても凪沙はいない…。
ようやく見つけたとき、そこにはすっかり衰弱し寝たきりとなっている凪沙の姿がありました。
そこで凪沙は一果にお願いをします…「海に連れていって欲しい」と…。
２人で海に行った一果と凪沙。
そこで、一果は凪沙にイギリスのバレエ学校に行くことを伝えました。
その報告に凪沙は泣いて喜び、そして一果にここで踊ってほしいとお願いします。
その願いを聞いた一果は踊ります。
そして、そんな一果の姿を見ながら凪沙は、静かにそして微笑みながら目を閉じるのでした。
躍り終えた一果が振り向くと、そこには亡くなっている凪沙の姿があります。
りんだけでなく、凪沙までもが亡くなったことでショックを受けた一果は、自分も死ぬつもりで海に入っていきます。
すると、一果の目の前に一羽の白鳥の姿が…。
白鳥は、一果の頭上で旋回した後、太陽へと向かって飛び立っていくのでした。
ミッドナイトスワン を観た感想
草�g剛さんが見たくて映画館に足を運んだのですが、意外にも草薙さんよりも一果役の服部樹咲さんに目を奪われました。
新人で、演技はまったくの未経験という服部さんですが、返ってその素朴さが際立っていた記憶しています。
ストーリーは非常に切ないもので、始終泣かされっぱなし。
特に後半に従って涙腺崩壊ものでした。
凪沙の中で変化する一果への思いは、いつしか母親のそれとなるわけですが、一果には実母がちゃんといます。
それが、何ともせつない。
どんなに凪沙が愛情を持とうにも、実母は実母ですからね。
せめて、実母がいい母親であるならばいいのであれば救われるのですが…。
個人的には、凪沙は亡くなってほしくなかった。
生きていてほしかったです。
でも、白鳥が飛び立つ…あの最後は意味深な雰囲気でよかったと思います。
海の中へと入っていった一果でしたが、その後どうなったかは描かれていません。
「白鳥の姿に思い直して海から上がってくれていたらいいな」「無事にイギリスへ留学してくれていたらいいな」映画を観てからしばらく経ちますが、いまだにそんな風に思ってしまいます。
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