【ネタバレ有り】流星の絆 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:東野圭吾 2008年3月に講談社から出版
流星の絆の主要登場人物
有明功一(ありあけこういち)
三兄弟の長男。過酷な運命を経たため、人を騙すことを生業に生計を立てる。泰輔と静奈を実行役に回し、自らは綿密なリサーチと巧妙なシナリオを企ててターゲットを追い詰める。
有明泰輔(ありあけたいすけ)
三兄弟の次男。両親を殺した犯人の顔を目撃している。詐欺グループでは実行犯となり、宝石商や銀行員、ホストなどさまざまな業種の人間に紛争する。
矢崎静奈(やざきしずな)
功一と泰輔とは血の繋がらない妹。資格商法詐欺に騙されたことをきっかけに兄2人と詐欺を働くようになる。
流星の絆 の簡単なあらすじ
「兄貴、妹(あいつ)は本気だよ。俺たちの仇の息子に惚れてるよ」幼い頃、両親を殺された洋食店「アリアケ」の三兄弟。事件から14年後、詐欺をして暮らしていた彼らの前に両親を殺した犯人に似た人物が現れます。3人は復讐しようとさまざまな計画を立てます。しかし完璧だったはずの計画が、ある誤算によって…。
流星の絆 の起承転結
【起】流星の絆 のあらすじ①
14年前、小学生の功一、泰輔、静奈の三兄妹は夜中に家を抜け出しペルセウス流星群を見に行きましたが、天候が悪く雨が降り出したため流星を見ることなく帰ってきました。
家に入った功一はそこで両親の死体を発見してしまいます。
そしてちょうどその時、裏口から出てきた犯人の顔を外にいた泰輔が目撃していたのでした。
その後功一が警察へ通報し、現場に駆けつけた柏原と萩原が事件の捜査の担当になりました。
事件を解決するために警察は懸命に動いてくれましたが、犯人が残していったと思われる傘からは指紋が検出されず、泰輔の目撃情報により作成した犯人の似顔絵からも手がかりは掴めませんでした。
この事件はすぐに解決すると思われていましたが、事件解決は困難を極めていました。
【承】流星の絆 のあらすじ②
事件から14年が経ったある日、静奈が資格商法詐欺に騙されてしまいます。
そこで静奈は同じ方法で別の人を騙そうとしますが失敗してしまいます。
しかしこの事をきっかけに、三兄妹は裕福な男性を詐欺で騙してお金を稼ごうと、詐欺グループとして活動するようになりました。
そして数々の詐欺を計画してこなしていた3人は、次のターゲットを洋食チェーン店「とがみ亭」の御曹司である戸神行成にします。
しかしある日、行成の父である政行を目撃した泰輔は、彼が事件現場で目撃した人物にそっくりだということに気づきます。
そんな泰輔の証言を初めは疑っていた功一でしたが、元祖「とがみ亭」のハヤシライスが「アリアケ」のハヤシライスにそっくりだったことで、政行が両親を殺してハヤシライスのレシピを盗んだ犯人であると確信します。
【転】流星の絆 のあらすじ③
政行が犯人だと確信した3人は、14年も前に子どもだった泰輔が目撃した人物に政行が似ているというだけでは警察は動いてくれないと考え、犯人を陥れるために自分たちで証拠を作り出し警察を誘導していこうと考えました。
そして不審車両の中にあった「祝アリアケ新装開店記念」と書かれた腕時計を発見した警察は、「とがみ亭」に辿り着きます。
一方、功一の計画で静奈は戸神家の書庫にハヤシライスのレシピを差し込みますが、行成にこの事がバレてしまいます。
有明事件の事を聞いた行成は父親の無実を証明するため、3人に協力します。
政行のDNAを調べたいと訪ねてきた警察に、行成は政行の髭剃りを渡します。
そしてその髭剃りから、14年前に犯人が忘れていった傘に残っていたDNAと政行のDNAが一致することが分かりました。
その事を知った政行は、あの日の事件について語り出しました。
【結】流星の絆 のあらすじ④
政行によると、50万円でハヤシライスのレシピを買わないかと言われ取りに行っただけで、真犯人は別にいるということでした。
そして政行は、その日自分の傘と間違えて別の傘を持って帰ってきてしまったので、その傘に犯人の指紋が残っているはずだから調べてほしいと言いました。
その傘を調べるために警察署に戻ろうとする柏原に、功一は話があると呼び止めます。
そして功一は自分の考えを柏原に伝えました。
事件当日、誰よりも早く現場に来た柏原が傘を逆さまに持ってゴルフの素振りをしていたのを功一は見ていました。
政行が持っていた傘の持ち手にも、地面をすったような傷がありました。
また現場に残されていた傘から指紋が検出されなかったのは、自分の傘だと思った柏原がそれを拭き取ったからではないかと功一は言いました。
つまり功一は柏原が犯人ではないかと疑っていたのです。
すると柏原は自分が犯人だと告白し、そのまま歩道橋から飛び降りて自殺してしまい、有明事件は解決したのでした。
流星の絆 を読んだ読書感想
東野圭吾さんの作品はいつもどんでん返しがすごく、どの作品も最後までわくわくしながら楽しむことができます。
流星の絆も最後の最後で真犯人が明かされ、予測を綺麗に覆されました。
犯人が分かってからもう一度読み返すと、1回目では分からなかったことが2回目で分かることもあり、2度楽しむことができました。
また兄と妹は血が繋がった兄妹ではないけど、常に妹を第一に考えたり、妹の幸せを願って自分たちだけが自首しようと考えたり、本当の兄妹以上の絆を感じることができました。
私も妹と弟がいるので、大切にしないといけないと感じさせられました。
流星の絆は、何回読んでも楽しめる話の面白さや、兄妹の絆の温かさを感じることができ、私にとって一番お気に入りの小説です。
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