監督:M・ナイト・シャマラン 1999年10月に東宝東和から配給
シックス・センスの主要登場人物
マルコム・クロウ(ブルース・ウィリス)
主人公の小児精神科医。ある患者を救えなかったことで心に傷を抱えている
コール・シアー(ハーレイ・ジョエル・オスメント)
マルコムが救えなかった患者をダブらせてしまう辛い悩みを抱えた少年
アンナ・クロウ(オリヴィア・ウィリアムズ)
マルコムの妻で、ある事件以降は何故かマルコムに無関心になる
シックス・センス の簡単なあらすじ
ある夜に小児精神科医のマルコムの自宅の寝室に見知らぬ男が押し入ります。
男はかつての患者であると名乗り、マルコムのことを自分を救わなかったと責めます。
説得にも関わらず、マルコムは男に撃たれ、薄れゆく意識の中で男が自殺するのを目撃します。
やがてマルコムは仕事に復帰しますが、妻は彼に無関心になります。
彼は理由が分からず自分が変わったのかと悩んでいる時にコールという新しい患者の少年に出会います。
あの夜に救えなかった男の代わりにコールを救うことで自分の傷が癒えて妻との関係も修復できると考え治療にあたります。
結末で二人は共に未知の世界に踏み込み互いを救います。
シックス・センス の起承転結
【起】シックス・センス のあらすじ①
小児精神科医のマルコムは昔の患者が成長した青年から治療に失敗したと逆恨みを受け、妻の目の前で撃たれます。
男はそのまま自殺し、それを目撃したマルコムは自分の力不足を感じ意識を失います。
傷がいえたマルコムは再び自宅で仕事を再開しますが、妻はよそよそしく話しかけても返事をしません。
それどころか他の男の誘惑に乗るそぶりを見せます。
マルコムは妻にいら立ちを覚えますが、自分が目の前で患者の自殺を見て心に傷を負っているのではないかと思い始めます。
自分が心に傷を負ったせいで変わってしまい心を閉ざすようになったのではないか、そのために今も愛している妻との関係がうまくいかなくなったのではないかと自分を診断します。
そんな時にマルコムは、謎めいたラテン語を呟くコール少年と教会の前で出会います。
彼は誰にも話せない秘密を抱えることで周囲から孤立し、愛している母親にも理解されず孤独を抱えていました。
コールに犯人の青年が患者だった頃の姿を重ねたマルコムは彼の悩みを辛抱強く聞き出そうとします。
最初はコールは心を開かず、マルコムと別れます。
【承】シックス・センス のあらすじ②
コールは秘密のせいで情緒不安定になり学校でも友達がいません。
朝食の時に母親が中座したときに台所中の棚が荒らされ、何故かその理由をはっきりと話さないコールに母親も違和感を感じ距離ができてしまいます。
戸棚には何故かコールのものでない大人の手形がついていました。
コールは母親を安心されるために友達のふりを同級生に頼み、学校での孤独を必死に耐えます。
帰宅すると母親と一緒にマルコムがいました。
マルコムはコールに悩みを打ち明けるように辛抱強く話しかけます。
コールはマルコムのやさしさを理解しますが、過去の精神科医にも理解してもらえなかったことで「僕を救えない」と拒絶します。
朝食の時のような不思議な現象が次々とコールの周りに起こります。
コールは社会科の授業の際に歴史を教える教師に誰も知らないような街の秘密を指摘します。
教師は間違いだと思いコールに間違いを認めさせようと高圧的な態度をとります。
その時にコールは教師が秘密にしてきた過去の吃音を指摘し、教師を怯えさせます。
怯えた教師はコールのご機嫌を取るように演劇の主役に彼を抜擢します。
そのためにコールは同級生の家のパーティに珍しく招かれます。
いたずらで戸棚に閉じ込められたコールは何かに異常なまでに怯えケガを負います。
その狂乱ぶりに周囲は冷ややかな目を向けます。
コールは孤独の中で再びマルコムに出会った際に、自分を助けてくれる理由を聞きます。
マルコムが正直に過去の失敗の償いのためと打ち明けると、コールは心を開き悩みを打ち明けます。
秘密とは彼に死者が見えることでした。
彼は死者の霊から街の歴史と教師の秘密を聞き、戸棚では霊が再現する過去の惨劇を見たのです。
【転】シックス・センス のあらすじ③
コールの秘密を聞いたマルコムは一種の精神病と診断します。
しかし、コールには本当に死者が見えていたのです。
死者はおぞましい姿でコールの前に次々と現れます。
コールには死者の霊は恐怖の対象としか思えません。
唯一秘密を打ち明けたマルコムに助けを求めますが、妻との仲が決定的に悪化したマルコムは余裕がなく助けに応じる余裕がありませんでした。
それでもマルコムはなんとか努力し、自分を撃った患者の症状とコールの症状に共通点を見出します。
過去の治療記録のテープを聞き、コールの言葉は真実であり初回の出会いの時のラテン語は霊の言葉を繰り返していたのだと半ば信じるようになります。
マルコムはコールの悩みを解決する方法として霊は恐ろしいものでなく、話を聞いてもらいたいために現れるのだと教えます。
マルコムの言葉にすがる思いで、コールは嘔吐を繰り返す少女の霊から逃げずに望みを問いかけます。
少女の導きで彼女の葬儀に参加し、彼女から教えられたビデオテープを彼女の家で探し出し喪主の父親に手渡します。
そこには少女が母親に洗剤を飲まされ殺された様子が移っていました。
ビデオは偶然に少女が撮影したもので、同じ目にあっている妹を救うために彼の前に現れたのでした。
望みが叶った霊は嘔吐する醜い姿ではなく普通の少女となり天に昇ります。
幽霊を理解し恐れることが無くなったコールは情緒が安定し学校でも自分の居場所を見つけます。
【結】シックス・センス のあらすじ④
コールが救われたと確信したマルコムは母親にも秘密を打ち明けろと最後の忠告を送ります。
コールは感謝のしるしとしてマルコムに奥さんが寝ているときに話しかければ二人の関係は上手くいくと告げます。
コールは母親に秘密を打ち明け、信用してもらうために祖母の霊から聞いた秘密の話をします。
その内容に驚いた母親はコールの言葉を信じはじめ、親子の距離は元通りの親密なものになります。
マルコムがコールと別れて帰宅した時に妻は結婚式のビデオを点けたまま酒を飲んで眠っていました。
マルコムはコールの言葉に従って妻に愛情を語ります。
妻は夢の中でどうして自分を置き去りにしたのと答え、その時に彼女の手から指輪が落ちます。
指輪はマルコムの分の結婚指輪でした。
どうして彼女が自分の指輪をしていたのか考えこむマルコムに真実が訪れます。
彼は銃撃された時に既に死んでいたのです。
しかし妹を助ける望みがあり現世に留まった少女と同じく、望みがあって現世に霊として留まっていたのです。
一つは救えなかった患者への自責の念、もう一つは妻ともう一度だけ語り合いたいという思いでした。
マルコムが霊だと知っていたコールのお陰で2つの願いが叶い、マルコムは妻へ別れを告げて天へ旅立ちます。
シックス・センス を読んだ読書感想
幽霊話ですが、ラストでは怖さはなく人の愛情は死んでも残ると感じさせられます。
ストーリー的にはありきたりなところがありますが、後から見返すと映画の演出でマルコムが霊であることが随所に細かく表現されているのに気が付きます。
彼が生きていても不自然さが無いように見えて、事情を知ってみるとやっぱり幽霊だと思わせるところが凄いです。
そういう意味ではネタバレが命の映画ですが、2度見ても楽しめる作品です。
特に1回目はマルコムが霊だという演出の意味が分からず、不要なものに思えてちょっとだけイライラしますが2回目ですっきりします。
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