青くて痛くて脆い(住野よる)の1分でわかるあらすじ&結末までのネタバレと感想

青くて痛くて脆い(住野よる)

【ネタバレ有り】青くて痛くて脆い のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:住野よる 2018年3月にKADOKAWAから出版

青くて痛くて脆いの主要登場人物

田端楓(たばたかえで)
“モアイ“の創立メンバー。
秋好寿乃(あきよしひさの)
“モアイ”の創立メンバーで、代表。
董介(とうすけ)
楓の友人。“モアイ”を毛嫌いしている。
テツ
“モアイ”の幹部。秋好の恋人。

青くて痛くて脆い の簡単なあらすじ

たった一つの勘違いが“モアイ”を作った2人の間を引き裂いた。なりたい自分になるために作った秘密結社は変わってしまった。就職活動も終え、自分がやり残したことにケリをつけるために立ち上がる。楓は彼女の吐いた嘘を正すため、そして一からやり直すために、居なくなった友達へ挑戦する。傷付いて初めて知る痛みがある。

青くて痛くて脆い の起承転結

【起】青くて痛くて脆い のあらすじ①

秘密結社<モアイ>の始まり

秋好寿乃と初めて出会ったのは大学一年生の初めの頃だった。

麗らかな陽気の満ちた講義中に、大きく快活な声が静かな講堂に響き渡った。

質問はあとで引き受けますという講師の言葉を無視て、秋好は「この世界に暴力はいらないと思います」と意見表明をした。

関わらないようにしようと決意した田端だったけれど、食堂で昼食を食べているときに秋好から声をかけてきた。

それから秋好は田端に話しかけるようになり、そのうち二人で行動するようなった。

いろいろなサークルに参加していた秋好だったが、正式に加入したサークルは一つもなかった。

「自分で作ったらいいかもね」田端は冗談の半笑いで言った気休めを、秋好を本気にして作る気になった。

活動内容は何にも縛られないけれど、信念だけは突き通そうとなった。

「四年間で、なりたい自分になる」秋好は恥ずかしげもなく言った。

用途や定説が不明という意味で、秘密結社の名前は“モアイ”となった。

それが“モアイ“の始まりだった。

【承】青くて痛くて脆い のあらすじ②

居なくなった友達への挑戦

他の大学生と同じように楓もリクルートスーツを着て就職活動に励んでいた。

幸いにも企業への内定をもらった楓は、エレベータの中で同じ見知らぬ後輩たちの会話が耳に入りました。

その会話には“モアイ”という単語が度々入っていて、彼女たちは“モアイ”を毛嫌いしているようでした。

“モアイ”のメンバーが食堂を占拠していることやしつこいほど勧誘などに関する愚痴でした。

彼女たちの会話が聞こえていた楓は、“モアイ”ができた頃に秋好が決めた信念を思い出しました。

同じ様に就活を終えた仲の良い友達の董介に自分が“モアイ”の創立メンバーだと伝えました。

楓が作ったとしても“モアイ”が嫌いだという董介に、楓は卒業する前にケリつけたいと宣言しました。

友達だから一緒に戦ってやるよと董介は楓に協力を申し出ました。

肥大化し過ぎた“モアイ”を一度壊し、もう一度作り直す。

楓は自分が作った秘密結社へ、そしてもう居なくなった友達への戦いが始まります。

【転】青くて痛くて脆い のあらすじ③

ホームページのパスワード

“モアイ”の幹部であるテンのスキャンダルを暴こうと、テンの主催するバーキューに参加したが得られるものは何もありませんでした。

テンはお調子者で人の良い人だということだけは分かりました。

振り出しに戻った楓は、董介のおこぼれで模試の試験官というバイトを手に入れた。

試験の最中、楓は“モアイ”の弱体化について考えていました。

昼休み、遅れて戻ってきた董介と支給された弁当を食べながら、二度と受けたくないよなと試験中に感じた素直な感想を言い合いました。

「最近、迷惑メールが多いんだよ」董介はスマートフォンの画面を見るなり机に置いて呟きました。

ほらと楓に見せる董介のスマートフォンには未登録アドレスからのメールが多く並んでいました。

迷惑メールと呼んだそれらは、就活の人事担当者からのものばかりでした。

そのとき、楓はこれらのメールに1つの仮説について思い浮かびました。

それは“モアイ”崩壊へとつながる手掛かりでした。

【結】青くて痛くて脆い のあらすじ④

居なくなった友達と間違えた選択肢

SNSを中心に“モアイ”に繋がるスキャンダルが広がっていました。

それは、モアイが外部企業に無断で学生の連絡先を渡していたという内容でした。

スキャンダルは瞬く間に広がり、その波紋は大学側が認知するまでに広がった。

“モアイ”や大学、そして企業へと問い合わせを行う人が出始めた頃、週刊誌が“モアイ”についての記事を掲載しました。

ネットだけに留まらず、スキャンダルは世の中へ広がっていました。

『人に不用意に近づき、身勝手に肯定し否定してきた者達の理想とは何か。

』コメントの入った画像は誰かに問いかけています。

自体についての状況説明を大学側が“モアイ”に求め、“モアイ”はメンバー全員に説明を行うと代表が発表しました。

“モアイ”がメンバーに向けて説明を行う日の朝、楓は人気のない大学のベンチに座っていました。

四年間の大学生活のことを振り返っていました。

「あの」待ち合わせなどなく、思いに耽る楓に一人の女性が声を掛けました。

青くて痛くて脆い を読んだ読書感想

たった一つのすれ違いから、お互いを傷付ける結果となってしまった楓と秋好。

二人ともお互いのためを想い起こした行動が、距離を広げる結果となってしましました。

もう一度“モアイ”を一からやり直そうとした楓だったが、秋好はそれを望んではいませんでした。

変わってしまうことに嫌気を射した楓とみんなの幸せを願った秋好、2人が歩んだ四年間はどちらも正解で、間違っていたのかもしれません。

ただ、秋好は楓がいつでも戻って来てほしかったのだと思います。

そして、楓はもう一度ヒーローに会いたかったんだと思います。

傷付いて初めて知る痛みもあるのだと思う物語でした。

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