「名探偵コナン純黒の悪夢」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|水稀しま

名探偵コナン 純黒の悪夢

著者:水稀しま 20019年4月に小学舘から出版

名探偵コナン純黒の悪夢の主要登場人物

コナン(えどがわこなん)
名探偵コナンシリーズの主人公。正体は高校生名探偵工藤新一。

キュラソー(きゅらそー)
黒ずくめの組織の工作員

元太(げんた)
キュラソーを連れ回した三人のうちのひとり

歩美(あゆみ)
三人のうちのひとり。キュラソーの分のイルカのキーホルダーの景品が無いことを心配する。

光彦(みつひこ)
三人のうちのひとり。苦しむキュラソーが発する記憶の断片の言葉を咄嗟にメモをした。

名探偵コナン純黒の悪夢 の簡単なあらすじ

警視庁公安に侵入した黒ずくめの組織の工作員の女は逃亡中に記憶喪失になる。

東都水族館に遊びに来ていたコナンたちは女を記憶喪失者として保護した。

コナンから連絡を受けた警察が動き出すが、同時に公安刑事と黒ずくめの組織も彼女を捜索していた。

名探偵コナン純黒の悪夢 の起承転結

【起】名探偵コナン純黒の悪夢 のあらすじ①

サーバールームに侵入した工作員

女は国家公安委員会警察庁に進入し、明かりを落としたサーバールームで黒ずくめの組織に潜入する各国のスパイの情報を五色の透明カードを広げて記憶します。

女の侵入に気付いた公安公安刑事の風見がサーバールームの入口に立ちはだかります。

女は風見と部下を圧倒して廊下に出ました。

しかし、廊下の先には各国のスパイのうちの一人、安室が女を待っていました。

安室と接近戦をした女はガラス窓を突き破り、ビルを脱出しましたが、安室の額への一撃で左目のコンタクトを落としていました。

コンタクトが外れた女の左目は青色でした。

女はカーチェイスの末に橋から海に落下しましたが、海が広がる先に観覧車が見える路地にたどり着きました。

そこで女は観覧車の光の演出の五色の光を目にします。

すると女は脳への激痛に絶叫しました。

東都水族館でベンチでうつろな目をしているところを女はコナンたちに記憶喪失者として保護されます。

コナンと灰原が女の知り合いや身元の情報を捜索する中、元太、歩美、光彦は女を連れて楽しんでいました。

【承】名探偵コナン純黒の悪夢 のあらすじ②

子供たちに連れられた記憶喪失者

女はゲームコーナーでダーツの景品三つを獲得しますが、三つのイルカのキーホルダーを元太ら三人に譲ります。

三人は色違いのイルカのキーホルダーをそれぞれ選びました。

三人はコナンと灰原そして博士をまいて、女と一度目は搭乗がかなわなかった観覧車に乗ることに成功しました。

しかし、観覧車のゴンドラが頂上に到達したとき、五色の光の演出が再び女の目に入ります。

女は苦しみうずくまりました。

医務室に運ばれた女を救急車の少し後に到着した佐藤警部補と高木巡査部長が身柄を引き受けにきました。

医師の説明で佐藤らは女の左目には黒のコンタクトレンズがつけられていたことを知ります。

東都警察病院に搬送された女を元太らの三人が高木刑事を伝にして、女との交流するひと時を得ます。

そのとき女は、コナンが受け取った色のついていないイルカのキーホルダーを博士に渡し、博士は元太に渡したそのキーホルダーを元太から貰います。

三人が色違いで持つイルカのキーホルダーの色のない四つ目を女もお揃いで持つことになりました。

目暮警部や佐藤らは上部組織の公安刑事の風見たちに操作権限を渡さなければなりませんでした。

女の身柄は風見たち公安刑事へ渡ります。

風見は女を東都水族館の観覧車に連れて行きました。

風見の目的は観覧車の頂上で五色の光の演出を女に見せ、女の記憶を復活させ、黒ずくめの組織の情報を得ることでした。

女は黒ずくめの組織の一員のキュラソーなのでした。

【転】名探偵コナン純黒の悪夢 のあらすじ③

工作員は公安に連行され観覧車へ

その頃、黒ずくめの組織はキュラソーの奪還に動いていました。

また別の場所では観覧車の内部に仕掛けられた爆弾を解除する安室の姿があった。

FBI捜査官の赤井は黒ずくめの組織の奇襲に備えて観覧車内部を登っていく。

黒ずくめの組織は軍用ヘリで空からキュラソーを迎えにいきます。

観覧車が頂上まであと少しのところで、五色の光が扇状に広がる演出を目にしたキュラソーは苦しみ錯乱します。

記憶が戻ったキュラソーは風見を気絶させます。

キュラソーは座り夜空を眺めてそのときを待ちました。

軍用ヘリがキュラソーがいるゴンドラごとアームで回収するときです。

キュラソーはイルカのキーホルダーを取り出し、静に微笑みました。

軍用ヘリがゴンドラの真上に到着するが、ゴンドラの中にキュラソーの姿は消えていました。

彼らはキュラソーの始末の乗り出しました。

キュラソーは同じく組織を抜け出した灰原を発見しました。

灰原を連れて観覧車から離れようとしたキュラソー。

しかし、灰原は子供達がゴンドラに取り残されていると言います。

ジンが爆弾の起動スイッチを押します。

しかし、間一髪で安室が爆弾の解除に成功していました。

ジンは軍用ヘリに備え付けられた機関銃で銃弾を無数に観覧車に打ち込み始めました。

柱の影に隠れた二人でしたが、組織の狙いであるキュラソーが自ら囮となって銃撃を灰原と三人が乗るゴンドラから引き離します。

キュラソーは途切れた通路をジャンプしましたが、着地点が次々と落下し、最後には崩れた通路と共に噴水の水面に沈んでしまうのでした。

ジンはキュラソーの始末だけでは満足しませんでした。

銃撃がピタリと止み、灰原は三人が乗るゴンドラの天井ハッチを開けて三人と合流します。

観覧車内部にいるコナン、赤井、安室は軍用ヘリのローター音を聞きながら、反撃方法を探ります。

周囲はいまだ暗闇に包まれています。

【結】名探偵コナン純黒の悪夢 のあらすじ④

最後の反撃

軍用ヘリが高度を下げて、観覧車の車軸に向けて乱射しました。

コナンが放った花火の光で数秒間、暗闇の軍用ヘリが肉眼で見えるようになりました。

急所、ローターの結合部に赤井がライフルを打ちます。

警告音が鳴り響き、退散しなければならない状況でジンが舵を握り、車軸に攻撃を再開しました。

ジンの攻撃は車軸の爆弾に命中し、観覧車は二つのホイールのうちノースホイールが外れ、ホイールが車軸から離れていきます。

ホイールが進む先は人々が避難する水族館でした。

叫び声が観覧車付近にいた人々から飛び交います。

そのとき、粉塵に包まれた水面にキュラソーが生きて浮上しました。

ジンはホイールが落下したのを見ると攻撃をやめ、黒ずくめの組織は撤収します。

水族館では係員が避難誘導していた。

そして組織への攻撃に成功したコナンらは次はホイールの動きを止める策を実行していた。

ホイールはコナンのサスペンダーでは止まりきらず、水族館を破壊してじわじわと進んでいる。

コナンは次は巨大に膨らむサッカーボールで食い止める。

止まったかと思われたホイールは少しずつ動き始める。

そこへたたましい警音と巨大クレーン車が現れる。

クレーン車を操縦するのはキュラソーだった。

キュラソーは強い決意の目をして、ホイールの正面に突っ込んだ。

傷だらけのキュラソーの手にはイルカのキーホルダーが握られていた。

キュラソーは激痛に絶え、ホイールを圧し続けた。

やがて、ホイールは運転席の歪め、クレーン車は爆発し、その衝撃でホイールはクレーン車の反対側に傾いて、水族館の残骸に支えられて止まった。

喜ぶ元太、歩美、光彦。

その後の事後処理では無数の救護と警備の乗り物が集まった。

その中の一つ、救急車に白い布がかぶさったストレッチャーが運ばれてきた。

駆け寄ったコナンと灰原はストレッチャーから落ちたものを拾った。

コナンはそれを広げた手の中で見て、「記憶じゃない、思い出だよ」と言った。

名探偵コナン純黒の悪夢 を読んだ読書感想

名探偵コナンシリーズは毎年四月に新作映画が公開されますが、今作は映画公開と同時に出版されました。

映画では美しく激しい映像で観客を感動に導いた本作。

物語での元太、歩美、光彦との交流で記憶喪失ながらも心を変えたキュラソーですが、その結末は優しく複雑なものでした。

三人の子供たちを思い、自分の命をかえりみずに行動したキュラソーと漫画原作ではなかなか仲間として振る舞う機会がない安室と赤井の敵対しながらもコナンが間に入って共闘するシーンは物語に微笑ましさを生み出します。

各シーンでの細かな情報が小説版にはあり、より一層作品を楽しめます。

コメント