【ネタバレ有り】オリジン のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:ダン・ブラウン 2018年2月に角川から出版
オリジンの主要登場人物
ロバート・ラングドン
宗教象徴学者。カーシュのイベントに招待される。
エモンド・カーシュ
著名なコンピュータ科学者であり、未来科学者。人類の根本的なテーマに関するプレゼンテーションを予定。
アンブラ
美術館館長、スペイン国王子妃。カーシュのプレゼンテーションの準備を手伝う。
オリジン の簡単なあらすじ
カーシュは、人類の根本的なテーマのプレゼンテーション中に殺害されます。目の前で友を殺害されたラングドンは、アンブラとともに、カーシュのプレゼンテーションを世界に流すために奮闘します。そして、全世界注目の中、ついにカーシュの発見が世界へ配信されるのでした。
オリジン の起承転結
【起】オリジン のあらすじ①
宗教象徴学者のロバート・ラングドンは、スペインのビルバオ・グッゲンハイム美術館でエドモンド・カーシュが主催するイベントに招待されていましま。
エモンド・カーシュはコンピューター科学分野で多くの成功を収め、未来科学者として、世界中に多くの信奉者います。
その美術館内では、招待客一人につきそれぞれにガイドが付き、音声で案内してくれます。
そのガイドは「ウィンストン」という、カーシュが作り出したもっとも進化した人工知能です。
なんと、この人工知能は、同時に他の招待客のガイドも一手に引き受けていたのです。
今回のイベントでカーシュは、「われわれ人類はどこから来たのか」「そしてどこへ行くのか」という、人類にとって最も根本的なテーマに関するプレゼンテーションの映像を流そうとしていました。
事前にこの内容をカーシュより知らされていた宗教界はこの映像公開に強く反対していました。
脅迫も受けていたカーシュは身の危険を感じていました。
【承】オリジン のあらすじ②
そんな中、遂にイベントが開始されます。
この模様は世界中に配信され、視聴者数は200万を超えてなお増え続けており、多くの関心が寄せられています。
そんな中、カーシュがスポットライトを浴びながら登場します。
招待された客達は総立ちで拍手喝采を送り、ラングドンもそれに加わります。
しかし、次の瞬間、突如銃声がドームに響き渡ります。
なんと、カーシュが、額を撃ち抜かれたのです。
目の前で教え子であり友でもあるカーシュを殺されたラングドンは深い悲しみと怒りを覚えます。
そして、犯人を見つけ出しカーシュの功績を世界に伝えることを決意します。
そんな彼の前に、美術館長のアンブラという美しい女性が現れます。
彼女は、ずっとカーシュのイベントの準備を手伝っていたとのことでした。
誰も信用できない中、ラングドンは彼女と共に逃亡することにします。
彼女は、スペイン国王太子フリアンの婚約者であり、彼女によると今回のカーシュ暗殺には、どうやらスペイン王宮が関わっている可能性があるとのことでした。
カーシュが遺したプレゼンテーション映像を見るためには、カーシュのスマートフォンに47文字のパスワードを打ち込む必要があります。
【転】オリジン のあらすじ③
カーシュはプレゼンを開始するためのパスワードとして、 彼が大好きな詩の一行=47文字を設定していました。
ヒントとして、彼はウィンストンに 「それは未来について——預言についての一行で、しかも喜ばしいことに、 すでに実現しつつあると言っていい」と話しています。
カーシュの自宅に、「ウィリアム・ブレイク全集」の初期の版の箱があり、 ラングドンは求める詩が彼のものだと悟ります。
そして、その箱には、 「ふたつ折りにされた象牙色のカード」がテープで止められていました。
そのカードは、サグラダ・ファミリアのクリプト(地下礼拝堂)に、 ウィリアム・ブレイク全集が展示されていることを示す展示カードであり、 カーシュは、163ページを開いて展示するよう指定していました。
『ウィリアム・ブレイク全集』が寄託されたサグラダ・ファミリアへと向かいます。
そんな中、ラングドンに暗殺者の魔の手が迫ります。
カーシュ暗殺は、宗教界の手によるものか?あるいは、スペイン王宮か?誰も信用できない中で逃亡を続けます。
そして、ついにサクラダ・ファミリアでパスワードを見つけるのです。
【結】オリジン のあらすじ④
カーシュのプレゼンテーションの内容は二つの問いに対する答えでした。
「われわれは何処から来たのか。」
この問いに対して、カーシュは量子キューブを使って、ユーリーとミラーが行った 原始スープの実験をやり直しました。
結果、生命は生まれませんでした。
次にカーシュは、若き物理学者・ジェレミー・イングランドの仮説、 世界はエネルギーを拡散するというただ一つの指令に従って動くという説を基に、 先ほどの実験に「エネルギーを拡散せよ」というコマンドを追加しました。
そうすることで、生命が生まれました。
「われわれはどこへ行くのか。
」この問いに対して、カーシュは先ほどの実験をさらに進めるとどうなるのかを考えました。
カーシュはトゥイーニング(進化の一部を入力し、間の進化を推測する) の手法を用いて、今後の進化の進み方を推測させました。
結果、2000年頃に登場し、2050年には人類よりも繁栄する種がいることが 示されました。
その種とは、「テクノロジー」であり、正確には人類を滅ぼすのではなく、 人類と同化し、新しい種に進化するとカーシュは述べたのです。
このプレゼンテーションは、カーシュ殺害などの一連の事件の影響を受けて、世界中で、数億人の注目の中配信され大成功を収めました。
一連の事件の真相は、カーシュのプレゼンテーションの注目を高めるため、人工知能であるウィンストンが仕組んだことが明らかになり、ラングドンは深いショックを受けます。
オリジン を読んだ読書感想
最近、大きなテーマとなっている人工知能の人間の関係を描いた物語となっており、突飛なストーリー展開ではなく、現実味のある物語であったとおもいます。
技術的にも近い将来には実現されるのかなと期待させられます。
前半は、宗教と科学の違いや対立について、分かりやすいストーリー展開で述べられており、すいすいとよみすすめることができました。
最後では、テクノロジーと人類との融合によるより良い未来をカーシュが預言しているにもかかわらず、目的のためなら、人をも殺す人工知能の冷徹さも描かれており、読書に考えさせる内容となっている作品です。
コメント