【ネタバレ有り】トリガール! のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:中村航 2012年8月に角川書店から出版
トリガール!の主要登場人物
鳥山ゆきな(とりやまゆきな)
本作の主人公。理系大学に入学した女子大生。人力飛行機サークルに入部し、パイロットとして奮闘する。
島村和美(しまむらかずみ)
鳥山ゆきなの友達。ゆきなと共に人力飛行機サークルに入部し、プロペラ班になる。
坂場大志(さかばたいし)
鳥山ゆきなの先輩。人力飛行機サークルに所属し、パイロットとしてゆきなとペアを組む。
高橋圭(たかはしけい)
鳥山ゆきなの先輩。人力飛行機サークルのパイロット。ゆきなを指導する。
トリガール! の簡単なあらすじ
理系大学に入学した鳥山ゆきなと島村和美は新入生勧誘の真っただ中にあった。そこで出会ったのが人力飛行機サークル。苗字が鳥山というだけで、なかば強引にサークルに入部。そこでゆきなはパイロットになるため訓練し、パイロットに。鳥人間コンテストに出場する。
トリガール! の起承転結
【起】トリガール! のあらすじ①
工業大学の機械工学科に入学した理系女子である鳥山ゆきなは大学で知り合った島村和美とともに4月のキャンパスにいた。
そこでは大勢の先輩たちが新入生を歓迎していた。
そこでゆきなは和美に引っ張られ、「T.S.L.」(チーム・スカイハイ・ラリアット)という人力飛行機サークルの勧誘イベントに参加する。
苗字が鳥山というだけでなかば強引に勧誘されて入部する。
1学年先輩である高橋圭に勧められゆきなはパイロット班に。
パイロット班の活動の一環としてゆきなはロードバイクを購入し、通学で乗るようになる。
ゆきなは出力を測るために圭とともに大学のトレーニングルームへと向かう。
そこにいたのは異様な熱気を立ち上らせながらエアロバイクをこぐ坂場大志の姿だった。
【承】トリガール! のあらすじ②
濃密な運動の気配を漂わせながらトレーニングする坂場大志はかなりの大柄で迫力のある体つきだった。
トレーニングが終わるまで待つゆきなと圭。
やがて坂場のトレーニングが終わると圭は坂場にゆきなを紹介し、エアロバイクに乗らせて出力を測らせる。
そこに割って入った「女には無理」という坂場の声。
かちんときたゆきなは逃げるようにしてトレーニングルームを出ていく。
悔しさのあまり、ゆきなは坂場を見返すと誓う。
それからゆきなは圭に指導を頼み込み、食事制限、ロードバイク、トレーニングルームと訓練を開始する。
やがてゆきなは圭と坂場の3人でロードバイクに乗って山へ走りにいくようになるが、ゆきなは失敗してしまう。
サークルをやめようか悩んでいたゆきなを圭は人力飛行機のテストフライトを見に来てほしいと誘う。
【転】トリガール! のあらすじ③
ピンクのロードバイクを走らせ、ゆきなは荒川の河川敷にある、ホンダエアポートに向かう。
早朝、日の出とともに、T.S.L.の新機体「アルバトロス」のテストフライトが始まろうとしていた。
圭と坂場がコックピットに乗り込む。
飛び立つアルバトロス。
ゆきなにも身を宙に浮かしたとき、その瞬間の感動が伝わる。
が、次の瞬間には機体の様子がおかしくなり、アルバトロスは地面に沈んでいく。
その事故の結果、圭は左足を骨折してしまい、本番は絶望的になる。
坂場と酒を酌み交わしたゆきなは圭の代わりとして2ndパイロットをやることに。
1stパイロット坂場、2ndパイロットゆきなの凸凹コンビが誕生する。
それからゆきなは圭の指導のもと、坂場とともに猛特訓を始める。
【結】トリガール! のあらすじ④
鳥人間コンテストを目指し、連日トレーニングに励むゆきな。
テストフライトを無事終わらせ、迎える大会。
坂場とゆきなは新幹線に乗り、駅でおりてロードバイクで会場となる琵琶湖へと向かう。
琵琶湖に着いたゆきなと坂場は体調を整えるため、湖畔をロードバイクで走り、腹筋や、ストレッチをしたりする。
本番は明後日のため、ゆきなと坂場は講習会に参加。
そして迎える本番。
ゆきなは4時前に起きだして朝食をとり、湖畔でアップを始める。
順番がきてプラットホームに立つゆきなと坂場。
2人はコックピットに乗り込み、アルバトロスがプラットホームを飛び立つ。
飛行中、坂場はゆきなに告白するも、撃沈。
だが、機体はまだ飛んでいた。
やがて機体はゆっくり水に落ちていく。
結果は3位という成績をおさめた。
トリガール! を読んだ読書感想
土屋太鳳主演で映画化にもなった爽やかな青春エンターテインメント小説。
人力飛行機サークルが舞台になっている。
人力飛行機サークルなんてあまり馴染みがなく、おもしろいのか?なんて思うかもしれないが、おもしろい。
割と文体はライトな感じで書かれていて、読みやすく、随所にクスっと笑えるところが散りばめられている。
なかでも登場人物が個性豊かでゆきなと坂場のやりとりは軽妙でおもしろい。
冒頭に爽やかと書いたが、この小説、爽やかだけではない。
熱いところもある。
挫折を味わったゆきなと坂場が鳥人間コンテストを目指し、連日トレーニングに励む姿はとても熱い。
読んでいるほうもパワーをもらえる。
挫折してやる気がなくなっている人には特におすすめだ。
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