「パパのいうことを聞きなさい!」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|松智洋

パパのいうことを聞きなさい!

著者:松智洋 2012年4月に集英社から出版

パパのいうことを聞きなさい!の主要登場人物

瀬川裕太(せがわゆうた)
本作の主人公。幼いころに両親を亡くし、姉に育てられる。普通の大学生だが家族の繋がりを大事にしている

小鳥遊空(たかなしそら)
3姉妹の長女。14歳。しっかり者だが不器用な性格。裕太を深く想っている

小鳥遊美羽(たかなしみう)
3姉妹の次女。10歳。明るく社交的で姉と正反対な性格。

小鳥遊ひな(たかなしひな)
3姉妹の三女。3歳。まだ3歳だが、元気で心優しい性格。

織田莱香(おだらいか)
裕太の憧れの先輩。なんでも完璧にこなす美人だが無表情。

パパのいうことを聞きなさい! の簡単なあらすじ

裕太は、姉が結婚旅行に行くから、うち子の面倒を見てほしいと頼まれる。

3姉妹とも打ち解けてきたころに、姉が乗っていた飛行機が墜落し、行方不明のニュースが入った。

葬儀で3姉妹は別々に引き取られそうになるが、裕太は1人で全員引き取ると宣言し、夜中に6畳の狭い部屋に4人での生活が始まる。

様々な苦難と葛藤を乗り越え、家族は成長し、裕太は空と結ばれます。

パパのいうことを聞きなさい! の起承転結

【起】パパのいうことを聞きなさい! のあらすじ①

3姉妹と裕太の始まり

裕太は幼いころに両親を亡くし、姉の祐理と2人で暮らしてきました。

そして、急に姉の結婚が決まり、裕太に結婚を伝える時に、裕太は、夫となる信吾が連れていた空、美羽に会います。

空はこの時、裕太の優しさに触れ、想うようになりました。

後に姉は結婚し、ひなを生み、3姉妹の母となりました。

そして裕太は大学生となり、1人暮らしをはじめましたが、姉は結婚して幸せな家庭を築いていることにモヤモヤしていました。

ある日、姉から、長く家を空けるため、3姉妹の面倒を見てほしいと頼まれます。

3姉妹とはしばらく会ってませんでしたが、次第に打ち解け始めます。

しかし、姉の乗っていた飛行機が墜落し行方不明との情報が入りました。

葬式で、3姉妹は別々に引き取られそうになるが、その時の光景をかつての姉と自分のように感じ、裕太は全員を引き取ると宣言しました。

周りからは猛反対を受けながらも、ひなには両親が死んだことを隠しつつ、夜中に逃げ出し、6畳間の狭いアパートでの4人暮らしが始まりました。

【承】パパのいうことを聞きなさい! のあらすじ②

4人での生活

しかし、当然ながら、4人での生活は経済的な面以外でも困難だらけでした。

お風呂や着替え、選択などの性別の違いや家事など生活面でも苦労が絶えません。

叔母のよしこからも、これからどうしていくのかと厳しく問い詰められます。

しかし、同じサークルの友人で、いわゆる陽キャの仁村や、憧れの先輩であり、なんでもこなす莱香、ロリコンで、何度も留年しているが、あらゆるコネを持ち、頼りなるサークル部長である先輩の佐古など周囲の助けも借りつつ、狭い部屋でもなんとか暮らし続けます。

こうして、ともに苦楽を乗り越えていく4人の絆はどんどん深まっていきます。

そして、三女ひなのお遊戯会を見に来た親戚達は、別々ではなく4人で一緒に暮らしていくことが大切だと気付きます。

一緒に暮らすことを認められた裕太達は、親戚の援助を受けつつ、かつて姉の祐理と夫の信吾が暮らしていた家に戻ることができました。

そして、4姉妹は徐々に元の生活を取り戻し始めます。

【転】パパのいうことを聞きなさい! のあらすじ③

3姉妹の成長

ある日4人は、美羽の実母サーシャと会います。

美羽は、実はサーシャと信吾ではない別の男性の間に生まれた子であり3人とは血のつながりはありませんでした。

そして、サーシャは母が倒れてしまったために、やむを得ず美羽を信吾に預けます。

3姉妹を非常に可愛がるサーシャでしたが、美羽は母とは距離を置いて接してしまいます。

さらに、サーシャから、自身の出生について明かされ自分はただの他人で本当の家族ではないと深くショックを受けます。

しかし、周りの支えもあり、美羽はサーシャと和解し、悲しみを乗り越えます。

一方、ひなは小鳥遊家で飼っている老犬じゅうべえを非常に可愛がっていました。

じゅうべえもひなによくなつき、5人目の家族のようにみんなから大切にされていました。

しかし、じゅうべえは非常に高齢のため限界が来てしまい亡くなっしまいました。

じゅうべえの死をきっかけにひな自分の両親の死を理解しました。

深い悲しみに暮れつつも4人で手をつなぎ、歩き出し、本当の家族になります。

そして、裕太は3姉妹の後見人になることを提案します。

しかし、それは空に強く反対されます。

裕太が後見人になると空は裕太と結婚できなくなるからです。

その場はなんとか反対しきれたものの、空は不安を感じ始めます。

こうして、空はこれまでは抑えてきた裕太への自身の気持ちについて考えます。

【結】パパのいうことを聞きなさい! のあらすじ④

空と裕太

しかし、裕太には来夏という憧れの先輩がいました。

莱香は家事、運動、勉強なんでも完璧にこなし、おまけにスタイル抜群の美人という、まだ裕太からすれば子供である自分にはとてもかなわない存在だと思っていました。

だから、自分が大人になるまでもう少しだけ待ってて、と空は心のなかで裕太にお願いしていました。

一方、莱香も、3姉妹を全力で育てている裕太の姿に徐々に惹かれていました。

そうして裕太は大学を卒業し、就職活動に励みますがなかなか決まりません。

そんなある日、苦しそうな裕太を見て、ライカはいきなり裕太に好きだと告白します。

しかし、裕太の返事を聞く前に、空の気持ちを知っていたライカは、今は答えなくていいと言いました。

空はこの時、偶然近くにいて、建物に隠れながらこの光景を見てしまいました。

そして、やっと裕太の就職先が決まり、祝いのパーティーが開かれました。

そこで、空は、とうとう自分の気持ちを抑えることができず、ライカの目の前で、裕太に自分を選んで欲しいと告白します。

裕太は最初戸惑い返事ができませんでした。

しかし、自分の気持ちを見つめ直し、改めて自分から空に告白しました。

こうして2人は結婚し、4人は飛行機は利用しない家族旅行に出かけるのでした。

パパのいうことを聞きなさい! を読んだ読書感想

松智洋先生の作品であるパパのいうことを聞きなさい!です。

アニメかもされて、ゲームも発売されていますが、何故か見ていない・知らないという人が多いです。

家族愛を描いたハートフルラブコメで、とにかく3姉妹が可愛く、読み進めると、すぐに夢中になってしまうと思います。

空と裕太が結婚するという最後のところまで書いているため、終わり方もスッキリしています。

しかし、作者の松智弘先生は2016年5月2日に肝臓がんで惜しくもこの世を去りました。

わずか43歳でした。

しかし、最期に先生は、この作品のアフターストーリーを残しており、そこでは、空と裕太の子供ができたことや、大きくなった美羽やひなが描かれています。

全部で18+1巻と結構長いですが、少しでも興味が湧けば、是非読んでみて下さい。

ありがとうございました。

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