【ネタバレ有り】神様ゲーム のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:摩耶雄嵩 2005年7月に講談社から出版
神様ゲームの主要登場人物
黒沢芳雄(くろさわよしお)
浜田少年探偵の団員 10歳 家族との血の繋がりや自身の誕生日に疑いを持っている。
山添ミチル(やまぞえみちる)
芳雄のクラスメイト 浜田少年探偵団の団員 芳雄の片思い相手。
岩渕英樹(いわぶちひでき)
芳雄のクラスメイト 浜田少年探偵団に入りたがっている。特撮のダビレンジャーのファン
神様ゲーム の簡単なあらすじ
芳雄が住む神降市では連続猫殺し事件が巻き起こっています。その被害に芳雄が恋い焦がれるクラスメイト、ミチルも猫を殺されていた。そんな芳雄が掃除当番でトイレ掃除をしているとクラスメイトの鈴木太郎が自身を神様だと告白します。芳雄は半信半疑で鈴木に猫殺しの犯人を聞きました。その後に起こる殺人事件にも芳雄は関わっていきます。鈴木に沢山のことを頼みながら最終的に芳雄は家族を失うのでした。
神様ゲーム の起承転結
【起】神様ゲーム のあらすじ①
芳雄は7月11日に誕生日を迎え、ロウソクの火を消します。
しかし一本残ります。
毎年残ります。
刑事である父親からは、だらしないと笑われます。
しかし芳雄は誕生日が違うからロウソクの火が残るのではないかと疑念を持ちます。
芳雄にはもう一つ疑問がありました。
それは神降市で起こっている連続猫殺し事件の犯人です。
父親に聞いてもまだ犯人は捕まっていないと説明されます。
芳雄の大好きなクラスメイトのミチルも愛猫を殺されて以降、元気がありません。
ミチルとは同じ浜田探偵団として活動をしています。
探偵団のメンバーは浜田町にあるアジトの居場所を口外しないという鉄の掟があります。
それはリーダーである坂本孝志が決めたことです。
芳雄は親友である岩渕英樹にアジトの居場所を聞かれるが答えません。
しかし心を痛めていました。
芳雄はトイレ当番のときにクラスメイトの鈴木太郎にいろいろ質問します。
なぜなら鈴木が神だと自称するので確かめてやろうと思ってのことでした。
そこで鈴木は担任の教師が不倫していること、芳雄の寿命が36歳であること、今の両親と血が繋がっていないことを伝えます。
当然、芳雄は信じていませんでした。
【承】神様ゲーム のあらすじ②
翌日も芳雄は鈴木に質問します。
本当の誕生日は7月25日だと言い、さらに連続猫殺しの犯人は秋屋甲斐だと断言します。
芳雄は犯人が秋屋甲斐だと探偵団の集まりで発言しました。
当然信じてもらえないので、鈴木から聞いたとは言いませんでした。
すると秋屋のことを同じ団員である辻聡美が知っていました。
従兄弟が経営しているアパートの住人が秋屋でした。
団員たちは従兄弟の家に向かい、事件の目撃者である敏文に秋屋を見せることで芳雄の証言の裏付けをしようとします。
実際に秋屋を見ることはできましたが、肝心の敏文は曖昧な反応をします。
業を煮やした孝志は殺された猫の鈴を秋屋が住むアパートの前で見つけたと嘘の通報をすることを提案して、全員が納得します。
芳雄は鈴木に秋屋が猫殺しをする動機を聞きます。
そこで鈴木の説明に憤り、天誅を下すように頼みます。
英樹は探偵団の動向を鋭く勘づき、芳雄に聞いてきます。
芳雄はしぶしぶ正直に答えますが、神様が教えてくれたと言っても英樹は信じません。
最終的には喧嘩別れをしてしまいます。
そしてミチルが学校を休んだ日のこと、家に帰ると孝志から電話があり、すぐさま向かいます。
話の内容は同じ団員である内海俊也が英樹をアジト近くで目撃したということでした。
英樹はアジトのある山道を走って下っていたらしいのです。
しかしアジトの玄関前には秀樹のカバンが残されていました。
そこで聡美とズル休みをしていたミチルを加えてアジト内の捜索をし、井戸の中で死んでいる英樹を発見しました。
英樹は事故死で処理されました。
しかし芳雄には事故には思えませんがそれを証明すること叶いませんでした。
そして芳雄は鈴木に英樹殺しの犯人への天誅を頼みます。
その帰りに団員たちで帰っていると校舎の大時計の長針が落ちてきます。
その長針はそのままミチルを貫通してしまいます。
これが天誅なのかと、芳雄はショックのあまりに気を失います。
【転】神様ゲーム のあらすじ③
芳雄は病院で目を覚まします。
ミチルは事故死とされていました。
病室で母親に自分は本当の子供なのかと聞きます。
母親は叱りつけますが、狼狽の色がはっきりと出ていました。
芳雄は鈴木の話が事実だと確信しました。
そして英樹を殺した犯人はミチルだとも確信しました。
しかし動機がわかりませんでした。
孝志たちとの会話で、俊也が目撃したのは英樹の服を着たミチルだと考えが至ります。
着替える時に英樹の服を拝借したんだと分かりました。
しかし英樹は服を着て発見されています。
そこであのアジトには団員と死体の英樹以外の人間がいたということに気づきます。
それは間違いなくミチルの共犯者でした。
病室に鈴木が見舞いに来た時に芳雄はそれらのことを確かめました。
さらに鈴木は動機としてミチルは共犯者とアジトで性行為をしていたと告げます。
英樹はその場面を見られたために殺されたと教えてくれました。
ミチルが英樹の服をを着た理由は、殺した際に返り血を浴びたため、元の服では出歩けないからでした。
芳雄はその共犯者にも天罰を下すようにお願いし、鈴木は了承しました。
【結】神様ゲーム のあらすじ④
退院の日に芳雄を両親が迎えに来てくれました。
父は明るく退院祝いをしようと提案します。
そこで芳雄はケーキを食べたいと注文しました。
家に帰り、三人で特上寿司を食べます。
そして母親がケーキにロウソクを灯してテーブルの上に置きました。
退院の日は鈴木が教えてくれた本当の誕生日でした。
芳雄は心の中でひっそりと自身の誕生日を祝いました。
ロウソクの火を見ながら芳雄は事件の全容を思い返します。
血のついた服を処分するために英樹の服を着て帰ったミチルを共犯者はアジトで待っていました。
本来ならアジトに戻ってきたミチルから英樹の服を取り、英樹に着せる予定でした。
しかし俊也に目撃され、孝志や芳雄がアジトの前に現れたために予定が崩れました。
そこでミチルに知恵をつけて、警察ではなく芳雄の父親に直接連絡をさせます。
そして芳雄の父親は自分が逃げられるように芳雄たちに指示をして、難を逃れました。
共犯者でありミチルとアジトで性行為を行なっていたのは芳雄の父親でした。
芳雄は病室でその事実に辿り着き、鈴木に天誅をお願いしました。
芳雄は目の前のロウソクの火を吹き消します。
しかしその内の一本が倒れ、目の前の人影に燃え移ります。
これが天誅かと思いますが、なんと燃え移ったのは父親ではなく、母親でした。
芳雄は混乱しつつも、神様は間違ったことはしないと目を閉じるのでした。
神様ゲーム を読んだ読書感想
面白いミステリー小説というレビューを見て購入しました。
テンポが良くてすぐに読みきれました。
代わりに余白が多い小説だなと思います。
読む側の受け取り方でいかようにもできる作品でした。
焦点としては鈴木太郎が神様かそうじゃないかだと思います。
神様のようにも思えますが、そう受け取るとラストが説明できません。
母親が死んだのは天誅ではなく事故ということになるもでしょうか。
母親が共犯者とも思いましたが、それはあり得ません。
犯人はミチルで共犯者は芳雄の父親じゃないと成立しませんから。
ただ10歳の女の子とおじさんが性行為していたっていうのは想像できませんけどね。
総合的にはすごく面白いミステリーだと思います。
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