【ネタバレ有り】大富豪からの手紙 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:本田健 2018年3月にダイヤモンド社から出版
大富豪からの手紙の主要登場人物
佐藤敬(さとうけい)
本作の主人公。大学2年生。亡くなった祖父から9つの手紙が届く。
佐藤泰三(さとうたいぞう)
敬の亡くなった祖父。大富豪だったが、生前に全財産を寄付する。
絵美(えみ)
敬の彼女。少しおせっかいな性格。
ソムチャイ(そむちゃい)
タイに暮らす大企業のオーナー。泰三の古い友人。
大富豪からの手紙 の簡単なあらすじ
ある日、大学2年生の佐藤敬に亡くなった祖父から手紙が届きます。大富豪だった祖父の手紙には、「お金を残す代わりに人生で一番大切なものを学ぶ機会を敬に残したい」と綴られています。9つの手紙を、必要だと感じた時に敬は開けていきます。手紙と共に国内外へ旅にでながら、人生に必要なことを学びます。
大富豪からの手紙 の起承転結
【起】大富豪からの手紙 のあらすじ①
ある日、実家を出て一人暮らしをしている大学生、佐藤敬のもとに父親からメールが届きます。
内容は、亡くなった祖父が敬に手紙を残したこと、その手紙を弁護士の先生が東京に持って行くので受け取って欲しいとのことでした。
そのメールを見て、敬は亡くなった祖父、佐藤泰三の顔を思い浮かべます。
泰三は大富豪でしたが、生前に全財産を寄付してしまっていました。
弁護士に会いに行くと、彼から泰三が敬のことを心配していたと聞かされます。
また、敬に大切なことを教える時間がなくなってしまったことを泰三は気にかけていたのです。
思い出話の後に、弁護士から茶封筒に入った手紙を受け取ります。
敬は、その封筒をしばらく開けずに部屋に放置していました。
開けると、何か取り返しのつかないことになるのでは、と恐れていたのです。
部屋に来た彼女の絵美が後押しをし、ついに敬は封筒を開けます。
手紙は9つ入っていました。
最初の手紙には、「お金の代わりに人生で一番大切なものを学ぶ機会を敬に残す」と書かれています。
次の手紙は必要と感じたタイミングで開けるよう指示があります。
敬は緊張しながら、手紙を開くのです。
【承】大富豪からの手紙 のあらすじ②
泰三からの手紙に、「偶然の出来事には意味がある」と考えるよう書かれています。
手紙を読み終わった後、敬は航空券のタイムセールに遭遇し北海道行きのチケットを購入します。
きっとこれにも何か意味があると感じた敬は、北海道に居る泰三の友人に会うことにします。
泰三の友人から、泰三がどんな人だったのか聞き知らなかった面も知ることになります。
その経験を皮切りに、絵美の後押しもあり、京都やタイへ敬は旅にでます。
大学には休学届けを提出し、教授も笑顔で敬を送り出します。
その間、敬は次々と手紙を開け、泰三の考えを学びます。
手紙には、決断することが重要であること、直感に身を委ねる勇気を持つこと、決断しても行動なくして物事は動かないこと、お金の本質などが説かれています。
その手紙を読みながら、敬は「自分らしい人生を生きる」と決意します。
そして、タイで泰三の古い友人のソムチャイに出会います。
敬は大企業のオーナーてあるソムチャイのもとに泊まらせてもらい、お金についても彼から学ぶことにします。
【転】大富豪からの手紙 のあらすじ③
敬はソムチャイにある提案をします。
それは、無報酬でソムチャイのレストランの一つで働く代わりに、週に一度ソムチャイと話す機会を設けてほしいというものでした。
ソムチャイはすぐにそれを了承します。
勤務が始まり、敬はレストランの新メニューを考案し、さっそく提供します。
敬は味に自信があり上手く行くはずだと信じていましたが、全く売れず失敗に終わります。
そんな時に開けた泰三の手紙に、悩んでも失敗しても行動し続けるようにと書かれていました。
そして、チェンマイも敬のその失敗は気にすることではないと言います。
むしろ、リスクを冒して挑戦したことを褒めてくれます。
敬は次は必ず成功してみせると意気込み、スタンプカードやクーポン券による集客を実施します。
狙い通り、レストランは大繁盛します。
ところが、ソムチャイはそれについて何も褒めてくれません。
我慢できず、敬は自分からレストランの盛り上がりについてソムチャイに尋ねます。
ソムチャイは、忙しすぎる労働環境が嫌で従業員が二人辞めてしまったこと、新しい人手を雇うことがタイでは難しいことを敬に伝えます。
敬は、従業員の幸せを考慮していなかったこと、日本の常識で考えていたことに気が付きます。
そこで、敬はシフトの改善や売上をボーナスに還元することを提案し、従業員達にも活気が出てきます。
そしてついに、周りを巻き込んで関係者全員を豊かにした敬をソムチャイは褒めるのです。
【結】大富豪からの手紙 のあらすじ④
チェンマイを後にし、敬は直感でブータンに向かいます。
ブータンは世界で最も幸せな国だと聞いていた割には、そんな感じがあまりしないことに敬は気づきます。
そして、現地の人々の意見を聞き、幸せの定義がブータンと日本で異なることを学びます。
日本を含め、多くの先進国では「多くの物がないと幸せになれない」と信じています。
良い仕事、大きな家、たくさんのお金、車、ブランド品、豪華な旅行など、それらを持てれば幸せです。
その一方で、それらが無いと不幸だと信じてしまっています。
ところが、ブータンでは不安や不満がなく暮らせていれば幸せと考えるのです。
つまり、現状にどれだけ満足しているかが幸せであり、ブータンの人々は多くの物を持たなくても幸せなのです。
そのことを学んだ敬は、日本に帰国します。
帰国する前日、敬は泰三の最後の手紙を開けます。
「人生の目的は、自分らしく生き、人とつながること」と書かれています。
そして、敬の妹にもいつかこの手紙を渡して欲しいという泰三の願いが綴られていました。
その手紙を読み終えた敬を見守るように、落ちていくブータンの大きな夕日が輝いていました。
大富豪からの手紙 を読んだ読書感想
飲み会ではめを外して飲み過ぎたり、彼女はいるけれどまだ結婚なんて全然考えられなかったり、そんなごく普通の大学生が主人公なので感情移入しやすいです。
人生とは何か、お金とは何か、幸せとは何か。
普段あまり私達が意識しないことを考える機会を本作は与えてくれます。
「そんな上手く行かないだろう」と思ってしまう展開もありますが、「もしかしたら私も本作の内容を意識して生活すれば、同じような経験ができるかも」と信じてしまいます。
暗いニュースが多いですが、悲観的になってばかりいないで前を向くよう勇気付けてくれる内容です。
10代後半や20代の若い人こそ、読んで元気になれる本です。
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